コロナ後の信者勧誘活発化を警戒 オウム後継団体、死刑執行5年

警視庁に移送されるオウム真理教の松本智津夫元死刑囚=1995年9月、東京・霞が関

 オウム真理教の松本智津夫元死刑囚=執行時(63)、教祖名麻原彰晃=ら7人への刑執行から6日で5年となった。公安当局は、松本元死刑囚への帰依を強調する主流派の後継団体「アレフ」が、新型コロナウイルス対策の緩和に伴い勧誘を活発化させるとみて警戒。松本元死刑囚の子どもらの間で帰属が争われた遺骨は、崇拝対象になりうるとの懸念などから、司法判断確定後も約2年間引き渡されず、法務省側が保管を続けている。

 公安調査庁の分析では、アレフの信者は4月時点で少なくとも約1270人。団体名を隠し「メンタルヘルス講座」「ヨガ勉強会」と称して参加者を集めている。主なターゲットは一連のオウム事件になじみのない10~20代といい、コロナの状況下ではウェブ会議システムの活用が目立った。

 3月には、団体規制法で義務付けられた資産状況などの報告が不十分だとして、公安審査委員会がアレフへの初の再発防止処分を決定。9月までの6カ月、全国13施設の全部または一部の使用を制限し、布施などの金品受け取りを禁止した。

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