「高校のトイレに生理用品を」岡山県議会が陳情採択 すでに実施の高校では使用数が大幅に増加

岡山県議会で岡山市の高校生が公立高校のトイレに生理用品を置くことを求めた陳情が採択されました。すでに実施している岡山市の高校では、保健室に置いていたころより使われた数が大幅に増えています。

岡山市の岡山御津高校は3年前から生徒用のトイレ6カ所に生理用品を置いています。補充は月に1回、保健委員の生徒が行います。

(生徒は―)
「(忘れた時は)友達に借りたりしていて大変だったので助かっています」

以前は保健室に置いていましたが、取りに来る生徒は1年で数人ほどでした。今もありますが、ほとんどの生徒がトイレのものを使っています。

高校が2022年行ったアンケートでは「トイレに置かれる前、持ってくるのを忘れたときはトイレットペーパーでしのいだ」などの意見がありました。

(生徒は―)
「保健室には取りに来づらいイメージがあって恥ずかしい」
「教室が保健室から遠いので、取りに行くより友達に借りた方が早い」

高校が用意した生理用品は2022年度、450枚が使われました。女子生徒は現在約100人で、高校は2023年度も同じ程度の使用を見込んでいます。1万5000円から2万円ほどかかる費用は、高校が負担します。

(岡山御津高校/坂手愛実 養護助教諭)
「清掃担当の教員が、生理用品のごみが少ないということで、適切な交換ができていないんじゃないのかなということを以前から心配していました。適切な交換ができるのであれば、高校の間だけでも配布という形でしていけたら」

岡山県教育委員会によると、岡山県のほとんどの公立高校では現在、生理用品を保健室で受け取ることになっています。県教委は、この理由について「保健室で受け渡すことで生理の悩みを把握できる」などとしています。
一方で、今後については「学校の現状もしっかり把握しながら取り組みを進めていきたい」としています。

東京都や大阪府では都立・府立学校のトイレに生理用品を置いています。また、京都市教育委員会は2023年5月、市立学校の3校に生理用品を「無料で配る機械」を試験的に設置しました。

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