青森県沖の今季商業捕鯨、ミンク34頭水揚げ

 青森県沖の今季のミンククジラ漁が5日までに終了した。青森県での操業は、八戸港と大畑漁港の2カ所を拠点に4月20日に始まり、両港に計34頭水揚げ。大型のツチクジラ10頭も漁獲した。

 青森県沖で操業したのは、千葉県南房総市の外房捕鯨と和歌山県太地町の太地町漁協、宮城県石巻市の鮎川捕鯨の計4隻。当初、天候不良やしけの影響で出漁できない日が続いたが、5月中旬から軌道に乗り始めた。操業期間は今月4日まで。水揚げは八戸港11頭、大畑漁港23頭だった。

 ツチクジラは、北海道松前沖で漁獲し大畑漁港に水揚げ、八戸市白銀町の鯨体処理場に陸送された。現場責任者を務めた外房捕鯨鮎川事業所(宮城県石巻市)の大壁孝之所長によると、ツチクジラはスルメイカを好んで食べるとされており、漁獲した鯨体の胃からも多数見つかったという。

 鮎川捕鯨は既に石巻港に拠点を移動。外房捕鯨と太地町漁協は今後、南房総市に拠点を移し、8月いっぱいまでツチクジラを狙う。その後、9月に北海道釧路沖に移る予定。大壁所長は「ツチクジラを漁獲できたのは大きな収穫。青森沖はいい漁場なので、今後も期待したい」と語った。

 水産庁は2023年の商業捕鯨の捕獲可能上限を347頭とし、このうちミンククジラは沿岸操業の「基地式」109頭、水産庁保留分27頭。

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