野党集中砲火「内閣の一番の障害」 河野デジタル相、挑発のらず マイナンバー閉会中審査

衆院特別委員会の閉会中審査で答弁する河野太郎デジタル相=5日午後、国会内

 マイナンバーカードや制度を巡る衆院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成特別委員会の閉会中審査が5日に開かれ、河野太郎デジタル相(神奈川15区)が野党の集中砲火を浴びた。「内閣の一番の障害は河野大臣」(立憲民主党の西村智奈美氏)との挑発に対しても冷静に答弁を重ねた河野氏だったが、所属する麻生太郎副総裁の派閥からは「岸田文雄首相は河野氏に対応丸投げ。責任回避と総裁選の対抗馬つぶしで一石二鳥」(閣僚経験者)と首相への冷評が聞かれる。

 西村氏は、河野氏がマイナンバーカードの名称変更に言及したことを「名前を変えても問題は解決しない。はぐらかしだ。松野(博一)官房長官は将来の変更にすら言及しておらず、閣内不一致だ」と批判。立民の坂本祐之輔氏は、マイナンバーカードの相次ぐトラブルを受けた政府による総点検本部の設置が通常国会閉会日の先月21日となったことを挙げ「国会審議を逃れるためだ」とただした。

 河野氏は「将来の名称変更は否定しておらず閣内不一致にはあたらない」とし、本部設置を巡っては「静岡でのひも付けミス事案の発表が6月20日だったことなどを受けてただちに対応した。(国会審議逃れとの)指摘は当たらない」などと答弁した。「内閣の障害」との批判にはくみしなかったが、坂本氏からの「トラブルがカードの自主返納を招いている」との問い掛けには「ひも付けミスとカードの保有数とは無関係」と語気を強めて反論した。

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