“替え玉”不正が映像で発覚。運転時間違反の回避行為に罰金314万円が科せられる/スパ24時間

 7月1〜2日にベルギーのスパ・フランコルシャンで行われた『クラウドストライク・スパ24時間レース』において、ドライブタイム規定違反の発覚を回避するために不正行為を働いたとして、トレゾア・アテンプト・レーシングに2万ユーロ(約314万円)の罰金が科せられた。

 スチュワードの報告書によれば、日曜日朝のピットストップでロレンツォ・パトレーゼが99号車アウディR8 LMS GT3エボIIのステアリングを握ったとチームは主張したが、後に映像の証拠により、ピエトロ・デッリ・グアンティが運転を続けていたことが判明したという。

 これは、デッリ・グアンティが、スポーティング規則で定められている最大連続走行時間の3時間15分を超えて走っていたことを意味する。

 スチュワードは、トレゾア・アテンプトの行為を「公正の原則」を侵害するものであると指摘、チームには多額の罰金が科せられることとなった。

「スチュワードはレースディレクターから、ドライバーのピエトロ・デッリ・グアンティが最大連続走行時間を超過したという報告を受けた」とブルテンには記されている。

「チームマネジャーを召喚したところ、彼らは、“ドライバーIDに誤りがあり、ロレンツォ・パトレーゼがトランスポンダーの修正要請に従って(午前)5時24分10秒に出走した”と主張した」

「ビデオサポートによるさらなる調査の結果、ドライバー交代は行われておらず、ドライバーはピエトロ・デッリ・グアンティのままであることが明らかになった」

「競技者によるこの不正行為は、競技における公正の原則に対する侵害であることに、スチュワードは同意する」

 デッリ・グアンティが連続走行時間の制限を超えた時点で、99号車はシルバーカップ・クラスをリードしていた。その後、パンクやオイルクーラーの破損が影響し、彼らはシルバーカップのウイナーに100周以上の差をつけられ、最終順位はクラス7位へと下げていた。

 一方、アテンプト・レーシングがプロクラスで走らせたアウディスポーツ・トレゾア・オレンジ1の40号車アウディR8 LMSエボIIは、リカルド・フェラー、デニス・マーシャル、マティア・ドルディが総合7位、ブロンズカップの66号車は8位でフィニッシュしている。

 デッリ・グアンティ、パトレーゼ、アレックス・アカは、2戦を残しているGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ/エンデュランス・カップで、シルバーカップのランキング3位につけている。

シルバーカップにエントリーしたトレゾール・アテンプト・レーシングの99号車アウディR8 LMS GT3エボⅡ

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