7人死傷の工場火災から3年 消防署には献花台 工場跡地では慰霊式=静岡・吉田町

消防隊員と警察官あわせて7人が死傷した静岡県吉田町の工場火災から7月5日で3年が経ち、死亡した隊員が所属していた消防署には献花台が設置されたほか、工場跡地でも慰霊式が行われました。

死亡した隊員3人が所属していた吉田消防署には献花台が設けられ、同僚が花を手向けました。

<吉田消防署 池田嘉典署長>

「3人のことは二度と忘れることはありません。尊い御霊の犠牲を無にすることなく、そのご遺志を引き継いで安全に裏打ちされた研修等を実施し、地域住民の生命財産を守っていきたい」

3年前の7月5日未明、吉田町川尻の「レック静岡第2工場」で発生した火事では、消火活動中の吉田消防署の隊員3人と牧之原警察署の警察官1人が死亡するなど、合わせて7人が死傷しました。この火災をめぐっては業務上過失致死傷と業務上失火の罪で「レック」の当時の静岡製造部長(56)が在宅起訴されました。

当時の製造部長は洗剤に含まれていた過炭酸ナトリウムが水と混ざると発熱するおそれがあることを認識していたにも関わらず、機械の中に水が残っていないかどうか確認させるなどの注意義務を怠り、火災を発生させ、7人を死傷させた罪に問われています。

工場跡地ではレックによる慰霊式が開かれ、社員など185人が参列し、亡くなった4人を表す4本の石柱に花を手向けました。レックは再発防止を誓う一方で、当時の製造部長の起訴内容については争う姿勢を示しました。

<レック 貝方士 利浩専務>

「当社、日本でも有数の学者の先生が1年間かけて、この原因は一体何なんだと、どうしてこうした出火が起きてしまったのかについて調査した。出火は原因が不明だったと、要因が突き止められなかったということなので、その責任の所在というのは判別しようがないと思っている」

レックが独自に設置した事故調査委員会は「出火原因や出火場所を特定できなかった」と発表しています。7人が死傷した原因はどこにあるのか?3年が経った今も、責任の所在は明らかになっていません。

© 静岡放送株式会社