シルクロード展 9月から全国巡回 岡山は24年9月 東京富士美術館

 東京富士美術館(東京都八王子市)は5日、東洋と西洋を結ぶ交易路シルクロードをテーマにした特別展「世界遺産 大シルクロード展」を9月16日から同美術館を皮切りに全国6会場で行うと発表した。中国各地に残る宝飾品や絵画、経典など国宝級を含む約240点を展示する。岡山県立美術館(岡山市北区天神町)では来年9月16日~11月10日に開かれ、山陽新聞社などが主催する。

 日中平和友好条約の締結45周年を記念して企画。西安や洛陽、敦煌といった27の博物館の収蔵品で、中でも注目は日本の国宝に当たる45点もの「一級文物」だ。新疆(しんきょう)ウイグル自治区で出土した6~8世紀の「瑪瑙(めのう)象嵌(ぞうがん)金製杯」は多数の赤いメノウが輝く豪華な装飾が目を引く。トルファンで発見された唐の時代の「唐花文錦製靴」は色鮮やかな錦で作られ、奈良の正倉院に似たものが伝わる。

 シルクロードが世界遺産に認定された2014年以降では初となる中国国外での大規模展覧会。東京富士美術館の平野賢一学芸部長は「シルクロードを通じ、日本と中国の文化交流の歴史を感じてもらいたい」と話した。

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