「心が1つになるきっかけに」6日から清水七夕まつり コロナ禍・豪雨災害越え72本の竹飾り=静岡

7月6日から静岡市の夏の風物詩「清水七夕まつり」が始まります。コロナ禍の制限がなくなり4年ぶりの通常開催。2022年9月に台風による甚大な被害を受けた商店街は街に活気を取り戻そうと心を1つにしています。

5日午前、清水駅前銀座商店街には市民や商店街の人たちが作った「竹飾り」が上げられました。

<商店街の人>

「全体的に右下がりじゃん」

今回の清水七夕まつりはコロナ禍の制限がなく4年ぶりの通常開催です。約1kmの商店街をメイン会場に毎年60万人が訪れる夏の風物詩。しかし、年々竹飾りの数は減少しています。

こちらは、1974年の七夕まつりの様子です。最盛期には300本ほどの飾りが並んでいましたが…、今回の飾りは72本。商店街の高齢化や担い手不足により、出品しない店舗も多くなってきているのです。

<ポップクローバー 村越くだもの店 渡邊敬子さん>

「この時しか駅前に来てくれない人もいるので、せめてこの七夕まつりだけは残してもらいたいですね」

それでも、2022年の61本よりは増えています。伝統の祭りを後世に残そうと、一般企業などからの出品も気合が入っています。

<地元の介護老人施設の職員>

「利用者と作っているので」「飾られるのを楽しみにしているので、写真を撮って飾りましたよと」

祭り後の処分に困っていた飾りを支える部分の竹をパイプに代えたり、店同士で協力して吹き流しの部分を効率よく作る方法を考えたりと工夫を凝らしています。

<次郎長屋 西ヶ谷建志代表>

「子どもたちが(吹き流しを)触るわけですよ。コロナ禍で去年はそういうのも触っちゃだめだよねという話になって上の方に上げてたんですけど、今年は何とか下げて、肩車をしてワ〜ッと子どもたちが触ってくれたらいいなと思っている」

この商店街は2022年9月、台風15号による大雨の影響で一面が水に浸かりました。

<ノンタウン 出口貴士さん>

「電気は止まらなかったんですけど、断水が大変でしたね。出会いと笑顔が生まれるような七夕まつりになればいいなと思います」

短冊には、豪雨災害が起きないことを願う市民の思いがつづられていました。

<清水駅前銀座商店街 松岡夏樹理事長>

「清水の方々も被災されて苦しい中を乗り越えて、清水といえば七夕まつり、駅前銀座・清水銀座には七夕まつりありみたいな、心が1つになるようなきっかけになればと思っています」

復興と街のにぎわいを願う清水七夕まつりは、6日から9日まで開かれます。

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