日本医師会理事「新型コロナは現状で第9波」 会見で見解示す

 日本医師会の釜萢(かまやち)敏常任理事は5日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染状況について「現状は第9波になっている」と見解を示した。

「第9波と判断するのが妥当」

 同氏は理由として、沖縄県など九州地方で感染が拡大している状況をあげ「現状は第9波になっていると判断することが妥当だ」と述べた。現時点で厚生労働省が発表しているのは、6月25日までの定点観測での新規感染者数の合計、定点あたりの平均数値だけだが、それでも5月から一貫して感染者数が増え続けており、懸念を示したかたちだ。同氏は「高齢者や持病のある人への感染対策が重要」と警戒を呼びかけた。

 感染者数の発表については、感染症法上の位置づけが5月8日に5類に移行してから、移行前のように毎日の新規感染者数が発表されることはなくなり、最短でも5日前の数値しか発表されない状況となっている。また検査が有料となったことで検査数が減っており、そもそもすでに実態より遥かに少ない数しか把握できていないという指摘もある。このような状況をを受け、ワクチンを提供するモデルナは、公衆衛生学を専門とする日本人医師の監修を得て他の統計指標からリアルタイムに日毎の新規感染者数を推計・発表するサイトを公開している。本日時点の推計値は全国で5万5千人あまりとなっていて、一貫して厚生労働省が発表している過去の数値よりも上回っている。

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