シンガポール統計局が5日に発表した2023年5月の小売業売上高指数(速報値、名目)は、前年同月比で1.8%上昇した。ガソリンスタンドなどの下落で前月の3.7%上昇(改定値)から減速し、3カ月連続で伸びが鈍化した。
5月の小売業売上高指数(17年=100)は102.8となり、前月比(季節調整済み)では0.2%低下した。政策の影響を受けやすい自動車を除いた指数は、前年同月比で1.8%上昇。前月比では0.4%低下した。
項目別では、全14項目中5項目で前年同月を下回った。下落幅が最も大きかったのはガソリンスタンドで18.2%低下。レクリエーション用品、スーパー、百貨店は前月のプラス成長からマイナスに転じた。
食品・酒類は24.9%上昇して上げ幅が最大だったが、前月の29.4%から伸びが鈍化した。医療・トイレタリー・化粧品、コンビニ・ミニマート、衣料品・靴、腕時計・宝石も前月からプラス幅が縮小した。
5月の小売業全体の売上高(推計値)は40億Sドル(約4,280億円)。うちオンライン販売の割合は11.8%だった。
オンライン販売の割合が最も高い項目は通信機器・コンピューターで48.9%。これに家具・家庭用品の29.1%、スーパーの13.3%が続いた。
■外食の伸びは1桁台に低下
5月の外食産業指数(速報値、名目)は前年同月比で8.5%上昇した。伸び率は前月の15.3%から1桁台に下がった。
項目別では、レストランが0.2%上昇で最も上げ幅が小さかった。ファストフードは8.3%、カフェ・フードコートは10.0%それぞれ上昇したが、前月からは伸びが鈍化した。ケータリングは56.3%上昇。機内食の需要が高かった。
5月の外食産業全体の売上高(推計値)は9億9,400万Sドル。うちオンライン販売は24.6%だった。