横浜の映像文化発展へ「ヨコハマDOCS」始動 拠点は寿地区

「映像に凝縮された一人一人の生きざまがいつ見ても色あせない」と、映画「どっこい!人間節―寿・自由労働者の街」を評する飯田さん=横浜市中区

 ドキュメンタリー作品の制作や鑑賞を通じて横浜の映像文化の発展を目指すプロジェクトが発足した。同市中区の寿地区を拠点に、ワークショップや上映会などを開催。8日には、ことぶき協働スペース(同区)でキックオフイベントを予定している。

 プロジェクト「ヨコハマDOCS」は「映像グループ ローポジション」、NPO法人「横浜コミュニティデザイン・ラボ」(同区)、同スペースの3団体で実施。ドキュメンタリーを「作る」「見る」「学ぶ」を活動の柱に据える。

 ワークショップでは、取材交渉から撮影、編集の技術まで学び、5~15分の短編ドキュメンタリーを制作する。貧困や差別など社会問題を取り上げてきたローポジションの映画監督、飯田基晴さんと土屋トカチさんが講師役を務める。

 上映会は8月以降、定期的に開き、路上生活者の暮らしに密着した作品や、長時間労働を強いる企業と闘う男性を追った作品などを紹介する。

 キックオフイベントでは今後の活動について説明するほか、1970年代の同地区で暮らす労働者の語りを記録した映画「どっこい!人間節─寿・自由労働者の街」を上映。同市寿生活館(同区)の元職員で、出演者と交流があった加藤彰彦さんをゲストに迎える。

 プロジェクトでは、同地区に密着したドキュメンタリーの制作も目指す。作り手が増え、横浜の映像文化が発展することに期待する飯田さんは「ドキュメンタリーを手がけることは社会課題や地域の魅力と向き合うことにつながる。多くの人に関心を持ってもらえたらうれしい」と話す。

 ワークショップは8月5日から年5回行い、来年1月28日に完成作を披露する。動画編集の経験者が対象で定員12人。受講費は4万5千円。上映会は定員40人で1200円ほか。会場はいずれも同スペース。申し込みは「ヨコハマDOCS」のホームページから。

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