墨で表現 自由に56点 水戸で水墨画茨城展

自由な題材や画風で描かれた墨彩画が並ぶ会場=水戸市千波町

墨による絵画表現を追求する美術団体「水墨画茨城」の第30回展が9日まで、水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館(茨城県民文化センター)で開かれている。墨のみで描く水墨画や、顔彩を使い着色を施した墨彩画、計56点が並ぶ。

会員らは、公募展「日本自由画壇展」を中心に、県展や地域の作品展に参加し研さんを積んでいる。同展は毎年開き、1年間の成果を披露する場。

柔らかな色彩で四季を切り取った墨彩画を中心に、うさぎや女性の後ろ姿など、題材はさまざま。井上和子代表は、6月に日本自由画壇賞に輝いた墨彩画「縄文・板状土偶の願い」を展示。遺跡を背に立つ巨大な土偶の姿からは、歴史の重みや荘厳さが感じられる。

山田華村さんの水墨画「水辺の風景」は、草の間を飛び回るホタルを丸いにじみで描き、光の点滅を濃淡で表現した。

井上代表は「墨の文化の素晴らしさを伝えたい。新しい水墨画が生まれ、引き継がれている」と話した。

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