外国人観光客が困惑 日本の分煙マナー

去年の10月に水際対策が大幅に緩和されたことで、日本に訪れる外国人客数は回復傾向が続いていて、今年5月時点でコロナ前の約7割まで戻っています。そうした中、都内観光を楽しむ外国人への取材を通して、ある課題が見えてきました。外国人にとっては喫煙できる場所が少ない、そしてわかりにくいといった不満の声が挙がっていました。こうした現状と自治体の対策とは?

東京を訪れ、観光を楽しむ多くの外国人。日本の食や文化を満喫する一方で、不満も。それが「喫煙所をめぐる問題」。

外国人観光客:「探すのに2時間かかりました。。表示がないです。"喫煙者はそちらへ”の表示を置くべきです」「(私たち観光客も)できるだけルールを守ろうとしている。(喫煙所を)見つけるのがとても難しいです。特に観光客としてね」

外国人観光客はスマートフォンなどを駆使して喫煙所を探すものの、なかなか見つけられないと話します。

日本への旅行経験がある外国人喫煙者への調査によりますと、困ったこととしてその多くが「喫煙できる場所の少なさ・わかりにくさ」を挙げています。こうした状況を改善しようと、多くの外国人観光客が訪れる浅草などを有する台東区では、観光スポット周辺である取り組みを行っています。

記者:「ここは雷門から少し離れた路地裏ですが このように外国人向けのQRコードが付いた喫煙所マップがあります」

ポスターの2次元バーコードを読み込むと、日本語を含む5種類の言語で、区内にある公衆喫煙所の場所が表示されます。浅草で喫煙所を探していた外国人観光客は…

外国人観光客:「それは知らなかった。これならいま見つけることができる、それは良いことだ」

台東区は、観光客に向けて認知度を高めていくことが課題と話しています。

台東区 担当者:「海外の方に発信しているSNSや観光客向けのサイトを介して、台東区の喫煙マナーとか一般的なマナーをこちらの方で発信して、日本に来て頂く前に台東区のルールを知っていただくような啓発を心かけていきたい、取り組んでいきたいと考えております」

日本で進む「分煙マナー」。訪日外国人からは歓迎する声があがっています。

外国人観光客:「分煙はドイツにとっていいアイデアと思った。なぜならこのほうがクリーンだから。ドイツでは吸ったらそのまま投げ捨てるので、至るところに吸い殻を見かけるが、ここでは見かけないわね」

インバウンドで賑わう東京。喫煙者もそうでない人も、心地よい観光を楽しんでもらえるための対策が求められています。

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