豊富な地魚味わって 北茨城・まえけん 食彩太信で新メニュー

「地魚の魅力を知ってほしい」と話す前田賢一社長=北茨城市内

夏の観光シーズンを前に、水産加工のまえけん(茨城県北茨城市大津町、前田賢一社長)は6日から、同社が運営する飲食店「食彩太信(だいしん)」で新メニューの海鮮しゃぶしゃぶ「酒炎鍋」を提供する。大津漁港や勿来漁港(福島県)などで揚がった四季折々の魚介類を、地酒と昆布だしでさっとくぐらせるのが特徴。前田社長は「北茨城は漁の町。豊富な地魚を味わってほしい」と話す。

地元の魚の良さを訴えたいと今年1月からメニューを考案し、試作を開始。海鮮をくぐらせる地酒は、炎の出方が良い森島酒造(茨城県日立市)の商品を選んだ。

酒炎鍋は四季折々で約7種類の魚介類が入る。夏は、大津港産ツブ貝、ヤリイカ、水ダコ、ヒラメのほか、勿来港で揚がった地魚を使う。季節ごとに旬の魚介類を生かしていく予定だ。

単品とコース料理を用意。種類は「華」「雅」「極み」の三つ。価格は5500~1万1千円。

仲買人でもある前田社長は、各漁港で魚を買い付ける際に「(福島第1原発の処理水の海洋放出で)売れなくなるのでは」「値が下がる」など、漁業関係者の心配の声を聞いているという。前田社長は「北茨城市民、料理人、仲買人として風評被害に負けないように、地魚の魅力を発信したい」と意気込む。

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