【七夕賞/血統傾向】単勝“8人気”前後の母父に注目 「この舞台はドンピシャと言える配合」

七夕賞の3着内種牡馬データ(2018~22年)

9日に福島競馬場で行われる七夕賞(GIII、芝2000m)の「血統傾向」を分析する。

2018年以降の七夕賞で3着内に入った種牡馬データを集計、下記の成績表をもとに推奨馬を紹介する。

■長くいい脚を使えるノーザンテースト

過去5回の種牡馬データを見ると、ステイゴールドやルーラーシップ、トーセンホマレボシなど、ノーザンテーストの血を内包する種牡馬の名前がずらりと並んでいる。昨年もルーラーシップ産駒のエヒトが6番人気の低評価を覆し勝利、3着にも同産駒のアンティシペイトが入るなど、2頭が好走を果たしていた。

一方、ディープインパクト産駒は7頭が出走し3着内はゼロ。今年もレッドランメルトの出走があるが、今回は評価を下げたいところ。

ノーザンテースト内包の種牡馬が好走できる理由は、コース形態とレースの質にある。福島芝2000mは、スタート後に長い直線が続き、最後の直線は292mと短い。そのため、各馬の先行意識が強く、ハイペースになりやすい傾向にある。

ただし、開幕2週目の綺麗な馬場では、直線だけの競馬で差し切ることも難しいのが特徴。

その結果、2~3角の地点では後方に位置していながら4角で好位まで位置を上げる「マクリ」脚質の馬がハマりやすい。そこで浮上するのが、長くいい脚を使え、スタミナに富んだノーザンテーストの血なのだ。

少なくとも2019年と20年の勝ち馬である、ミッキースワローやクレッシェンドラヴはこれに合致する。今年の出走馬を見渡しても、フェーングロッテンやバトルボーン、セイウンハーデスなど、逃げ・先行馬の出走が非常に多く、例年通りハイペースとなりそうなメンバー構成だ。

今年も2019年や20年のようにノーザンテースト持ちの「マクリ」がハマると見た。そこでノーザンテーストの血を内包する2頭を推奨馬としてピックアップしたい。

ここでは母父ダイワメジャーの馬に注目する。

■グランオフィシエ

3歳時は東京の1勝クラスを逃げ切るなど先行力が持ち味だった。しかし、古馬になってからは自在性も発揮。迎春S(3勝クラス)では中団から追い込む競馬で勝利を収めている。

実績不足は否めないが、前走勝利したメトロポリタンSでは目黒記念の4着馬・ゼッフィーロに先着しているように、今回のメンバーに入れば能力は上位ではないか。そのレース内容をみても、レース上がり3F34秒5に対し、自身は33秒8。4角で4番手を通過しながら、上がり33秒8の末脚を繰り出し、内からまとめて差し切っているように、上のクラスで通用するだろう。

本馬は母父ダイワメジャー、母母父エリシオと、いかにも長くいい脚を使える血統背景。この舞台はドンピシャと言える。

重賞で好走歴のない戦績から、人気の盲点となりそうな本馬を推奨馬の1頭としたい。

文●中井達也(SPREAD編集部)

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