八甲田風力計画 青森市、県に白紙撤回求める意見書提出へ

 青森市議会は5日、一般質問を行った。同市などの八甲田周辺や山間部で計画されている「(仮称)みちのく風力発電事業」を巡り、西秀記市長は環境影響評価(アセスメント)の手続きの中で、同事業の白紙撤回を求める意見書を県に提出する方針を示した。

 赤平勇人議員(共産)の質問に答えた。西市長は、直ちに県や事業者へ中止を要望する考えはない-と説明。ただ今後、事業者のユーラスエナジーホールディングス(東京)が作成する環境影響評価方法書が示された際には、知事が各市町村長に意見を求めることになっており、この段階で市が県に提出する意見書の中で白紙撤回を求めるとした。

 ユーラス社は地元住民らの反対を受け、風車の最大設置基数を当初の計画から約半数の71基に減らした見直し案を3月に提示した。同案に対し西市長は「環境に配慮した抜本的な見直しとはなっておらず、住民の理解を得るのは極めて難しいものと認識している」と述べた。

 同事業を巡っては、宮下宗一郎知事も5日の定例記者会見で白紙撤回を求めていく考えを改めて表明。西市長は「今後の県の動向に注視、連携の上、対応していく」とした。

 一般質問は全部で5議員が行った。

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