第二の人生に刺激を 首都圏の40~50代対象にサイクリングの新ツアー

新たなサイクリングツアーの展開に向けて、1月に実施したモニターツアーの様子(和歌山県上富田町で)=紀州くちくまの未来創造機構提供

 和歌山県上富田町を拠点に地域の活性化を目指す一般社団法人「紀州くちくまの未来創造機構」(浦聖治代表)は、首都圏のミドルシニア世代(40~50代)を対象にした新たなサイクリングツアーを展開する。退職後のセカンドキャリア(第二の人生の生き方)を考える上で、もやもやした気持ちの解消や新たな気付きを得るきっかけにしてもらいたいという。

 ツアーは、セカンドキャリアの構築を支援する会社「Dialogue for Everyone(ダイアログ フォー エブリワン)」(東京都)と共に企画した。

 羽田空港と南紀白浜空港を結ぶ空の便を活用し、上富田町や白浜町での約30キロのコースをEバイク(電動アシスト付き自転車)で走行。地域の若手起業家との交流や熊野古道の道普請などの時間を設け、リフレッシュしながら新たな刺激を受けられる内容。1泊2日で、セカンドキャリアについての研修もある。ある程度の参加者が集まり次第催行する。料金は、その都度詳細を詰めていくため未定という。

■「違う世界見えてくる」

 ボランティアのアドバイザーとしてツアーの企画に携わった千葉県在住で大手化学メーカーに勤める有井輝夫さん(56)は「居心地の良い場所から飛び出し、いろんな人と交流することで、違った世界が見えてくる」と話す。

 自身のセカンドキャリアと向き合うため、2年前に同町朝来のサイクルステーション「KMICH(クミッチ)」でインターンシップを経験。Eバイクで紀南地方を巡った体験を踏まえ、ツアーの企画に取り組んできた。「紀南にはこちらを元気にしてくれる人がたくさんいる。若い世代や考え方が違う人とも出会える。ずっと同じ会社に勤め、閉塞(へいそく)感を抱える人に、僕と同じような気持ちになってもらいたい」と語る。

 ツアーを企画した「ダイアログ フォー エブリワン」の代表取締役、大桃綾子さん(42)は「日常を離れ、普段とは違う新しい気付きを得ることも、セカンドキャリアを考える上で大切。ミドルシニアと地方という舞台は相性が良く、ミドルシニアが元気になれば、もっと日本は良くなると思う」と期待を込める。

 「紀州くちくまの未来創造機構」自転車ツーリズムチームのリーダー、瀬戸陽子さん(54)は「このツアーで和歌山のことを知ってもらえるのも大きい。参加者と交流してくれる訪問先も、これから増やしていきたい」と話している。

 問い合わせや申し込みは、クミッチ(kmich.kuchikumano@gmail.com)へ。

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