薬物やギャンブル依存症の原因、治療法は 俳優の高知東生さん、橋爪遼さんが体験で語った「生きづらさ」 兵庫・神戸

薬物依存に至る原因となった生きづらさや、回復プログラムを通して自分と向き合った体験について語る俳優の高知東生さん(左から2人目)、橋爪遼さん(同3人目)ら=あすてっぷKOBE

 ギャンブルや薬物への依存症について専門家や当事者が語る「ギャンブル等依存症セミナーin兵庫」が2日、神戸市中央区のあすてっぷKOBEで開かれた。覚醒剤取締法違反容疑で逮捕歴のある俳優の高知東生さん、橋爪遼さんが体験を語るなどし、当事者やその家族ら約250人が耳を傾けた。

 NPO法人「全国ギャンブル依存症家族の会兵庫」が昨年に続いて主催。兵庫県西宮市にメンタルクリニックを構える田中禎医師と、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さんが講演し、その後、高知さん、橋爪さんを交えた4人で対談した。

 対談では、薬物依存に至る原因として「生きづらさ」があるということが話題に上がった。高知さんは「複雑な家庭環境があり、子どもの頃から他者との比較に敏感だった。その後も身近な人と自分を比べてしまい、つらかった」と振り返り、橋爪さんも俳優の父・功さんのイメージから周囲に期待され、「うれしくもあり、同時にプレッシャーだった」とうなずいた。

 逮捕後のバッシングについてもふれ、田中医師は「『こらしめてやる』などといった考え方は治療としても逆効果。そこに至った原因を深く考えるべき」と指摘。田中紀子さんも「さまざまな依存症者に対して社会が理解し、あり方を変えなければならない」と呼びかけていた。(勝浦美香)

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