梅酒の仕込み最盛期 京都・城陽の酒造会社 巨大タンクから香り広がる

クレーンを使い、タンクに漬け込まれる城州白(城陽市奈島・城陽酒造)

 京都府城陽市奈島の城陽酒造で、地元特産品種の梅「城州白」を使った梅酒の仕込みが最盛期を迎えている。黄色く熟した実を巨大なタンクに漬け込んでおり、蔵には甘酸っぱい香りが漂っていた。

 同社は山城地域唯一の造り酒屋で、青谷地域で採れる大粒・肉厚の実で梅酒を製造している。今年は10トンを仕入れ、一升瓶で約1万1千本(2万リットル)の原酒となる見込みだ。

 作業員たちは梅を洗浄した後、ホワイトリカーと液糖が入ったタンク1基ごとに、2400キロ分をクレーンで運び入れていた。来年春まで実を漬け込んだ後、2年以上熟成させてから出荷する。

 今年は梅の花咲きが早く、仕込み作業を始めた6月22日からよく熟れた実が届いた。4代目の島本稔大社長は「いい状態から梅酒造りを始められた。城州白は肉厚な分梅のエキスも多く取れ、香りもいい酒になる」と話していた。

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