ビッグモーター、保険金不正請求 事故車両の修理代水増し

中古車販売大手ビッグモーターの店舗=5日、東京都内

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)が自動車保険の保険金請求で不正行為をしていたことが6日、分かった。損害保険各社に事故車両の修理代を水増しして報告していた。外部弁護士の調査報告書が不正を認定した。東京海上日動火災保険の関係者によると、報告書は故意に車を傷つける悪質な事例を含め、不正請求が全国で横行していたことを示唆した。

 本来必要のない保険を利用して等級が余計に下がり、保険料が割高になった契約者がいる可能性がある。東京海上の関係者は共同通信の取材に、契約者への対応を進めるほか、ビッグモーターに対する保険金返還請求を検討する方針を示した。

 不必要な部品交換をしたり、塗装の品質を実際より高く偽ったりしたケースもあった。報告書は不正の背景として、修理を担う現場に無理な目標を押しつけていたことや、上司の裁量による降格処分など不適切な組織運営を指摘。「コンプライアンス(法令順守)意識の鈍麻」や「経営陣に忖度するいびつな企業風土」といった厳しい批判も盛り込まれた。

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