【高校野球 広島大会・注目校紹介】継承と進化 打倒広陵の夏 広島新庄高校

甲子園出場は、ここ10年で5回を誇る強豪・広島新庄高校。名将・迫田守昭 前監督から後をつないだ 宇多村聡 監督は、4年目のシーズンを迎えました。継承しながらも進化する新庄に迫ります。

宇多村聡監督
「その中で甲子園でできるということをしっかり感謝して」

コロナで中止となった甲子園の代替試合開催を告げる 宇多村聡 監督。

迫田守昭さんから監督を引き継いだのは2020年の春でした。広島商業の選手だった2004年には迫田監督の下で、県大会決勝でホームランを放つなど活躍。元カープの 岩本貴裕 とバッテリーを組んで甲子園出場を果たしました。

その後、新庄の監督に就任した迫田監督に呼ばれ、コーチを務めます。

球の回転の良いノックは、甲子園でも話題になるなど、「守り勝つ野球」を掲げる迫田野球を支えてきました。

宇多村聡監督
「野球は守りからというのは、わたしは変わっていないと思います」

投手を中心とした守りの野球を継承する宇多村監督。エースの 新田遥輝 を中心とした堅守は健在。春の県大会も決勝の広陵戦以外は無失点で切り抜けてきました。

新田遥輝 投手
「春の大会は秋の大会に比べて変化球でカウント取れたりテンポがよかったり、いいピッチングができたかなと思っています」

去年の秋、中国大会の1回戦で敗れた責任感から冬の間、筋トレなどのトレーニングに誰よりも取り組んできました。

宇多村監督が入学前から手掛ける初めての世代。チームにプラスしたのは食トレです。

宇多村聡 監督
「食べることを含め、体作りを含めて、全てがやはり野球につながる部分だと思いますので」

新田遥輝 投手
「ごはん山盛り食べて、寝る前にもちを3個食べて、食トレを一番がんばってきました」

その結果、体重を5キロ増やし、球速も伸びて最速145キロを記録。

新田遥輝 投手
「ストレートの切れと変化球の切れが感じられました。春からはカーブとチェンジアップにも自信を持っています」

2番手は、成長著しい2年生の 石津慶大 。同じく食トレや筋トレでなどで体重を5キロ増やし、春の決勝で広陵打線を5回2安打に抑え、自信を深めました。

石津慶大 投手
「吉田慎平さんのリードとか、キャッチャーのミットめがけてしっかり投げ込んで信じて投げられました。インコースにストレートをしっかり投げ切れたので、それで変化球も生きたのかなと思います」

スライダーでストライクが取れるようになり、得意のチェンジアップが効果的に決まるようになりました。

一方、打線は、春の大会で5試合平均7.6点と成長。引っ張るのは2年生から4番を打つ 河野優輝 キャプテン。

河野優輝 主将
「自分の代は、楽しくやるってことを意識してやって、徐々にいい結果がついてきたんじゃないかなと思います」

宇多村監督が「最近では一番仲が良い」と話すこの世代に、さらにプラスしたのは―

河野優輝 主将
「振ること、誰よりも多く振ること、仲間の誰よりも振る。その積み重ねだと思います」

公式練習だけでなく、自主練でもチーム一丸で振り続けてきました。

八尾剣太郎 選手
「ご飯をいっぱい食べるとか、そういうことをして、けが明けから野球の質が変わりました。飛距離が伸びるようになりました」

2年生から3番を打つ 八尾剣太郎 も自信を深めています。

八尾剣太郎 選手
「去年までは逆方向が多かったんですが、ことしはちょっと力もついて、引っ張る打球が増えたと思います」

キャッチャーの吉田も飛距離が伸びた1人です。

吉田慎平 選手
「本数で決めるんではなくて、しっかり満足するまで振っています」

受け継いだ守りの野球に強打をプラスした打線。全国区の広陵の壁に立ち向かいます。

新田遥輝 投手
「夏はチーム全体で一戦必勝を胸に、全力で勝利につなげていけたらいいなと思います」

河野優輝 主将
「技術面でもそうですが、気持ちの面で広陵高校さんには『絶対に負けないんだぞ』っていう気持ちで戦っていきたいと思います。自身はあります」

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