エアコンはつけっぱなしのほうがいい? 冷蔵庫は設定温度を変えるべき? 節電になる使い方

大手電力会社7社が国に申請していた電気代(規制料金)の値上げが承認され、6月から電気代が上がっています。現在は国の電気代・ガス代高騰対策としての補助がありますが、それでも対象となっているのは全ての電力会社・ガス会社ではありません。いずれにしても、エアコンを使う機会が増えてくる梅雨時期から夏にかけてはとくに、電気の使い方に気をつけたいものです。

今回は、値上げされた電気代への対策をご紹介します。


エアコンのつけっぱなしは節電対策になる?

数年前にSNSで話題になった「エアコンをつけっぱなしにしておいたら電気代が安くなった」という話。このケースは設定温度や風量など細かい条件は添えられていなかったので、なんともいえませんが、これを真似してつけっぱなしにして、高額な電気代の請求が来たという人があとを絶ちませんでした。

このことがあってから数社のエアコンメーカーが、その都度消すのがいいか、つけっぱなしがいいか実験をしてデータを公表しています。目安としては30分以上部屋を出るならば消したほうが良いようです。細かくは外気温などによって変わってくるので目安として30分と覚えておいてください。

風量は「自動」にしておくのがおすすめです。無駄に冷やしすぎることもなく、リモコンの設定では存在していない極微風の風を出してくれる機種もあります。

また、知っているけどやっていない人が多いのがフィルター掃除です。フィルターにホコリが張り付いていると、冷えた空気が出づらくなります。結果として、設定温度を下げたり、風
量を強くしたりして、無駄な電気を消費してしまうのです。フィルター掃除の頻度は最低でも2週に1度といわれていますが、使う頻度や部屋の汚れ具合(ホコリがある部屋はフィルターも汚れやすい)によって変わります。頻繁にフィルターをチェックしてホコリがついているようであれば掃除する習慣をつけましょう。

直射日光への対策も重要です。直射日光が室内に入ってくればそれだけ室温もあがります。実際、筆者の家は真夏、日当たりがいい部屋と悪い部屋で室温が5度も違います。そのため、すだれやよしずを立てかけたり、オーニングなどを使ったりして直射日光を遮る対策もしましょう。日中に外出している家でも対策は必要です。直射日光が入り込んでいた部屋とそうでない部屋では、夜になってからの室温も違うので、ぜひ対策をしてください。

24時間365日動いている冷蔵庫、節電対策はある?

エアコンの次に家庭での消費電力が大きい冷蔵庫。冷蔵庫の使い方一つでも電気代の節約につながります。「冷蔵庫の設定温度を強から中に、中から弱に変えるだけで節電になる」という話を聞いたことがある方も多いでしょう。もちろんこれは間違いではありません。

しかし、冷蔵庫は食品を保存するために冷やしているので、ただ言われたとおりに温度を変えるのは好ましくありません。中に入っている食材の量や置き場所によっても冷蔵庫内の温度は変わってきます。無駄に冷やしすぎたり、冷えていなかったりしないためにも冷蔵庫専用の温度計を使い、設定温度をまめにチェックし変更するようにしましょう。

冷蔵庫の適正温度は以下のとおりです。

冷蔵室2度から5度

野菜室 3度から7度

チルド室 0度

冷凍室マイナス18度からマイナス20度

冷蔵室は冷気がまわりやすいようにするため、可能な限りスカスカにしておくのが効果的です。また、冷蔵庫の奥に冷気の吹き出し口があるので、その前には物を置かないようにしましょう。

逆に冷凍室はぎゅうぎゅうに詰めておくと、食材同士が冷やしあうので電気代の節約につながります。入れる食材がない場合は、保冷剤を入れておいたり冷凍対応のペットボトルに水を入れて凍らせておいたりも、いざというときに活用できるのでおすすめです。

上がる電気代の対策。この夏はエアコンと冷蔵庫の使い方を少し工夫してみてはいかがでしょうか。

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