石棺のふた、元は1枚の石 吉野ケ里遺跡調査で判明

吉野ケ里遺跡で見つかった石棺墓の3枚のふたの接合状況を再現した図(佐賀県提供)

 佐賀県は6日、吉野ケ里遺跡(吉野ケ里町、神埼市)で発見され、先月から調査している弥生時代後期の石棺墓のふた4枚のうち、3枚は元々1枚の石だったと発表した。「×」のような線刻を片側一面に施した後に分割されたとみられる。県文化財保護・活用室は「弥生時代の葬送儀礼を考える上で重要」と説明、当時の死生観を考えるヒントにもなるとしている。

 ふたは4枚の石からなり、全長約2.3m。このうち3枚のふたには、石をまたがる形で×に似た文様が刻まれていた。3次元計測データを組み合わせると、断面が合致し、1枚の岩にまとまった。

 3枚のふたの重さはそれぞれ100~200キロ程度とみられる。

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