兵庫の新型コロナ感染者、5週連続で増加 1日平均2000人に近い状況か 県、現段階での流行期入り否定も注意呼びかけ

国立感染症研究所が分離した、新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(同研究所提供)

 新型コロナウイルス流行「第9波」に入ったという見方がある中、兵庫県内でも感染者の増加が続いている。県が6日発表した1週間(6月26日~7月2日)の定点医療機関当たりの感染者は5週連続で増え、5.78人に。5月8日の5類移行後、初めて5人を超えた。国が5類移行前にさかのぼって示した定点当たりの参考値と比較すると、1日平均約2千人だった2月上旬に近い状況とみられる。

 6月26日~7月2日に県内199の定点医療機関から報告された感染者は1150人で、1カ所平均5.78人。前週(6月19~25日)の960人、平均4.82人から20%増えた。

 政令・中核市の定点当たりは、神戸市=4.44人▽姫路市=7.42人▽尼崎市=3.87人▽西宮市=3.71人▽明石市=3.82人。県所管では赤穂健康福祉事務所が最多の13.50人、次いで龍野健康福祉事務所が12.38人で、西播磨地域が目立った。入院患者は6日午前0時現在で、前週比34人増の322人となった。

 国が昨年10月までさかのぼって公表した定点医療機関当たり感染者数の参考値によると、県内では昨年12月19~25日の14.19人が最多だった。県感染症対策課は「今の増え方は過去の波より緩やかで、現段階で流行期に入ったとはみていない」とするが、「これまで夏にも流行してきたので今後の増加も予想される。重症化しやすい高齢者や、高齢者と接する人は特に注意してほしい」としている。(井川朋宏)

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