「県政の歴史変える」 宮下青森県知事、県議会で所信表明

県議会の開会冒頭、あいさつする宮下宗一郎知事

 宮下宗一郎知事就任後初となる定例県議会が6日、開会した。所信表明で宮下知事は、大きな支持を得た知事選を振り返り「選挙の歴史は変わった。次は、政治と県政の歴史を変える」と決意を述べた。初日は副知事に県総務部長の小谷知也氏(44)、県教育長に元八戸市職員の風張(かざはり)知子氏(67)を起用する人事案を採決し、全会一致で同意した。

 所信表明で宮下知事は先の知事選に関し、朝一番に子連れで投票所に向かった女性、不在者投票をした後に亡くなった入院患者らのエピソードを挙げ、「一人一人の思いが、大きなうねりとなった選挙だった」と総括した。

 県内のごく普通の家族を思い描くと、それぞれの年代や職業でさまざまな課題が浮かび上がるとし、合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子どもの推定人数)2以上を目指す「青森モデル」の構築、物価・燃料費高騰に対応する対策本部の設置、医療体制の充実などに取り組むと明言した。

 その上で、「青森新時代は、知事が青森県を一つの家として県民を家族と考え、だんらんしながら居間にいるかのように語り合う時代」と強調。県民による県民のための県政、県民が主役になる県政を発展させると誓った。共感と協力の輪を広げ、「振り返ってみると大きく変わっていたと言える一つの時代を築きたい」とも述べた。

 本会議では会期を24日までの19日間と決め、特別職の給与に関する条例改正案など14議案、報告20件を一括上程。副知事と県教育長の空席を早期に解消するため、人事案は初日に先議し、吉俣洋(共産)、鹿内博(無所属)の2議員が質疑を行った後に採決した。一般質問は12~14日の3日間行われ、12議員が登壇する。

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