水戸・弘道館にアライグマ 重文の柱に爪痕、捕獲にわな設置

暗視カメラに写った、柱を駆け下りるアライグマとみられる動物(県提供)

水戸市三の丸1丁目の弘道館で、特定外来生物に指定されているアライグマが侵入した痕跡が見つかった。国重要文化財の「正庁」の柱が爪で傷つく被害などが確認されており、市は6日、アライグマが同館に住みついた可能性があるとみて、わなを設置して捕獲作戦に乗り出した。

アライグマは4日、県水戸土木事務所偕楽園公園課が設置した暗視カメラに、柱につかまりながら下りていく様子が写っていた。成獣とみられる。

同課によると、今年初めごろから正庁の柱に動物の爪痕が見つかったり、畳にほこりなどが落ちていたりするのが見つかり、同課が足跡や侵入口を探していた。

尾に特徴的なしま模様があることから、鳥獣駆除に当たる市が6日、正庁近くに箱わなを設置した。

弘道館は1841(天保12)年に完成。正庁では、水戸藩主が出席する儀式や文武の試験が行われていた。1964年に国重文に指定された。

同課は「アライグマは6月などが繁殖期。周辺で子育てをした可能性もある。しっかり対応したい」としている。

動物の爪痕が残る弘道館の柱=水戸市三の丸

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