神戸徳洲会病院(神戸市垂水区)で1月以降、1人の男性医師が関わったカテーテル手術で、処置後に患者が死亡したり容体が悪化したりする例が複数起きたなどとして、神戸市保健所が臨時の立ち入り検査を実施したことが6日、関係者への取材で分かった。事態を問題視した一部の関係者らが、書類や安全体制の不備などを含め、複数の機関に告発文を送っていた。
告発文などによると、医師は1月に同病院に赴任。心臓疾患患者や透析患者らに行った造影検査やカテーテル手術で、複数の患者が術後に亡くなったり、容体が悪化したりしたという。
また、必要のない患者へのカテーテル手術▽カルテの不備▽院内の医療安全担当者への患者死亡事例の未報告-などについても一部の医師らが指摘し、病院の運営法人に事態を改善するよう上申しているという。
今月5日に立ち入り検査を行った神戸市には、手術と患者死亡の因果関係を調べる法律上の権限はないが、カルテの不備などが事実なら国指針に抵触するため、今後も検査を行う方針。
同病院は神戸新聞社の取材に対し、立ち入り検査は受けたとしつつ、「医療事故ではない」と回答した。
同病院には循環器内科や心臓血管外科、小児科など11の診療科がある。運営する「徳洲会グループ」(東京)は神戸を含め、全国で75病院を運営している。