綿貫陽介、初めてのウィンブルドン本戦を2日がかりの大逆転劇で制す! 2回戦で元世界2位ズベレフと対戦[ウィンブルドン]

綿貫陽介が初めてのウィンブルドン本戦で大逆転勝利

7月6日、「ウィンブルドン」男子シングルス1回戦が行われ、日没順延となっていた綿貫陽介(フリー/世界ランク116位)は、マルク・アンドレア・ヒュースラー(スイス/同81位)を6-7(5)、5-7、7-6(5)、7-6(3)、6-3と2セットダウンからの大逆転で下し2回戦へ進んだ。

ウィンブルドンに4年ぶり3度目の挑戦となった25歳の綿貫は、予選1、2回戦を勝利したものの、予選決勝でデニス・ノバク(オーストリア/同159位)に敗戦。本戦の欠場者が出たため、ラッキールーザーで初めて同大会の本戦入りを果たした。初戦の相手は、昨年ツアー初優勝を果たすなど自己最高47位を記録しているヒュースラーとなった。

試合は序盤から互いにサービスキープが続く展開。綿貫は左利きのヒュースラーが放つコーナーを突いた精度の高いサーブをとらえきれず、チャンスを握ることができない。第1セットはタイブレークでフォアハンドにミスが出て6-7(5)でセットを落とす。

続く第2セットも派手さはないものの、丁寧なテニスを見せるヒュースラー。綿貫はサービスゲームにプレッシャーがかかる。なんとかキープを続けていたものの、セット終盤の第11ゲームでネットに出たヒュースラーをかわしきれずブレークされ、5-7と2セットダウンとなる。

あとがない状況となった綿貫は、声を出して自らを鼓舞して前を向く。ここまで70%以上の確率でファーストサーブを入れてきたヒュースラーだが、第3セットでは下降。第2ゲームで綿貫はこの試合初めてのブレークポイントを握ると、第6ゲームで遂にブレークに成功。5-2となったところで日没順延となった。

5日のいい流れをキープしたい綿貫だったが、最初のサービスゲームでブレークされると、再びタイブレークに。ここで正確なストロークで積極的に攻めた綿貫が7-6(5)で取りきった。

この流れに乗りたい綿貫は、第4セットも順調にサービスキープ。第10ゲームでは2度のマッチポイントを握られたが、守りに入らずネットに出て攻め抜く。この試合、3度目のタイブレークでは2-1で華麗なパッシングショットを決めてリードを奪い、そのまま7-6(3)でセットを奪取。セットカウント2-2と試合を振り出しに戻した。

運命の最終セット、互いに疲れのせいかファーストサーブの確率が落ちたが、その中で綿貫は気持ちを全面に押し出してプレー。2セットを連取した勢いそのままに第2ゲームでブレークすると、直後のサービスゲームではピンチをしのぎ切って山場を乗り切ると、その後は相手にチャンスを与えずキープし6-3。勝利の瞬間、ラケットを投げ両膝をついて喜びを表現した綿貫は、うれしい本戦初勝利を挙げ、目に涙を浮かべた。試合時間3時間59分、2日がかりの戦いの末に大逆転勝利で2回戦へ進んだ。

2回戦で綿貫は、第19シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同21位)と対戦する。

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