高血圧改善の仕組み解明 軽い運動、脳に適度な衝撃

軽い運動で高血圧が改善するメカニズム

 ジョギングなど軽い運動で高血圧が改善する仕組みを解明したと、国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉)や国立循環器病研究センター(大阪)などのチームが6日、英科学誌に発表した。成人を対象にした臨床試験では最高血圧の平均が10程度下がった。

 チームは高血圧を発症したラットで実験した。足が地面に着地した際に頭部にも衝撃が加わり、脳内の体液が流動。血圧調整に関わる細胞が刺激され、血圧を上げるタンパク質の量が低下することを突き止めた。

 座面が上下に動き、ジョギングと同程度の衝撃が頭部に加わる椅子を開発し、高血圧の約30人を対象に1日30分、週3日この椅子に座る臨床試験を実施。1カ月続けると、最高血圧の平均は141.9から132.9に改善した。終了後も効果が約1カ月持続した。

 水泳や水中歩行、自転車の乗車でもジョギングの半分程度の衝撃が頭部に加わることを確認。ラット実験では、この程度の衝撃でも改善効果が見られた。

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