文化歴史ゾーンの拠点に 朝日町ふるさと美術館 7日移転オープン

朝日町の海をイメージした光と影のモビール展示=同町ふるさと美術館

 朝日町ふるさと美術館の竣工(しゅんこう)式は6日行われ、約50人が隣接する不動堂遺跡を含めた文化歴史ゾーンの核施設として滞在・体験型観光の拠点となるよう期待を込めた。旧美術館から移転、展示スペースを1.5倍以上にしてリニューアルオープンする。7日から一般開放される。

 3億8212万円を投じ、同町横水の交流体験施設「なないろKAN」を大規模改修した。有利な財源を活用し、町の負担は総額の4分の1となる。周辺には歴史公園や埋蔵文化財保存活用施設「まいぶんKAN」もあり、町は「歴史と文化の薫り漂うふるさとゾーン」に位置付けている。

 7日からは開館記念の特別展「光と影のモビール 現象する歌」、館蔵品企画展「竹久夢二展~夢二式美人を中心に」(いずれも富山新聞社後援)が開かれる。

 特別展は現代アート作家小松宏誠さん(42)による光や音、動きを生かして空間を彩るモビール、羽根の立体作品などで、6日の内覧会では小松さん自身が幻想的な展示を解説した。朝日町の海をイメージし、和紙やフィルムで光のきらめきを表現した作品が注目を集めた。特別展は9月10日まで、竹久夢二展は一部作品を入れ替え10月22日まで。

 美術館は計3カ所の展示室、陶芸工房、体験学習室があるほか、朝日岳や遺跡を望むことができる喫茶室も備える。

 竣工式では笹原靖直町長が「多くの作家の創作活動の場、子育て世代や若者ら町民の憩いの場としても利用してほしい。一帯の多彩な地域資源の拠点施設として生かす」とあいさつ、堂故茂参院議員、加藤好進町議会議長らが祝辞を述べた。

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