新造キリコお披露目巡行 あばれ祭、7日開幕

新造したキリコを担ぐ四明ケ丘と崎山4丁目の住民=能登町崎山2丁目

 日本遺産「能登のキリコ祭り」の先陣を切り、県無形民俗文化財「あばれ祭(まつり)」が7、8日、能登町宇出津で営まれる。6日にはキリコを新造した崎山4丁目と四明ケ丘(しあけがおか)両町内会のお披露目巡行が繰り広げられ、真新しいキリコ2基が一足早く目抜き通りを進み、待ちわびた住民が威勢のよい声を響かせながら進んだ。今年は新型コロナによる制限がない通常開催で、住民の熱気が高まっている。

 崎山4丁目がキリコを新造するのは16年ぶり。全長10.9メートル、高さ6.1メートル、重さ約1トンで、キリコ作りを専門とする大工の町分(まちぶん)浩さん(63)が約10カ月かけて仕上げた。

 14年ぶりに新たに造られた四明ケ丘のキリコは全長11メートル、高さ6.2メートル、重さ約1トン。これまで50基以上のキリコを手掛けてきた大工の前田武雄さん(77)が1年がかりで完成させた。

 キリコは町分さん、前田さん方の近くでそれぞれ組み立てられ、神事で安全を祈願した。子どもたちを乗せた後、指示役の合図に合わせて肩で担ぎ上げ、太鼓と鉦(かね)の音を響かせながら練り歩いた。崎山2丁目の町道では競い合うように坂道を上り、新しいキリコを担げる喜びをかみしめた。

 崎山4丁目町内キリコ制作実行委員長の小下(こした)修次さん(67)は「この日を待っていた。7日からも勇ましく巡行したい」と話した。

 6日には酒垂(さかたる)神社の「あばれ神輿(みこし)」の清祓(きよはらい)の儀も宇出津の大工小又秀夫さん(79)方で営まれ、関係者が祭礼の成功を願った。

© 株式会社北國新聞社