世界ジオ祝い水リレー 白峰~美川70キロつなぐ

水リレーの下見を行う担当者=白山市白峰

  ●8日開催 雪解け水トーチで300人

 白山手取川ジオパークの世界ジオ認定を市全域で祝おうと、白山ジオのテーマ「水の旅」から着想を得た「水リレー」が8日、開催される。五輪聖火リレーのように「水のトーチ」に白山の雪解け水を入れて市内各地から選ばれた走者が、手取川上流域の白峰地域から河口のある美川地域まで約70キロをつなぐ。リレーの様子はネットで中継し、市内外にジオの魅力を伝える。

 白山麓で山林の保護や活性化に取り組む団体「QINO(キノ)」と東大北陸サテライト、県内外の大学生でつくる「しらみね大学村」などが企画し、市内の公民館の協力を得て、認定決定の直後から計画を進めてきた。

 リレーのコースは、白山の雪解け水が手取川を流れて日本海にたどり着くイメージで、白峰河川公園から小舞子海岸を目指す。ジオパークの見どころ「ジオサイト」に選ばれている下吉谷町の綿ケ滝や八幡町の舟岡山遺跡、湊町の呉竹水荘などを経由し、約300人が参加する。小舞子海岸では最終走者から田村敏和市長が受け取り、トーチに入った水を日本海へ返す。

 水のトーチは、端材を使った作品作りに取り組む木工作家の福江翔太さんが手掛け、長さ80センチ、重さ700グラム。白山麓のクロモジを材料とし、木目や木の香りを生かしている。

 7日夜に行われる開会式では、学生らが白山から持ち帰った雪で「雪解けのセレモニー」を行い、たき火の熱で溶けた雪解け水を水杯にそそぐ。

 8日は動画サイト「ユーチューブ」で実況中継を行い、各地域のジオサイトを紹介する。水リレーを企画した東大北陸サテライトの坂本貴啓特任助教は「ジオパークを身近に感じてもらい、上流から下流まで全体の連携につなげたい」と期待を込めた。

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