富山の熱い夏開幕 目指せ甲子園

夏の熱戦へ闘志を燃やす各校ナイン=富山市民球場

  ●富山南の穴口主将「一球一打に感謝」/43校40チーム8日から熱戦

 第105回全国高校野球選手権富山大会の開会式は6日、富山市民球場で行われ、43校40チームの球児が8日に始まる甲子園切符を懸けた戦いへ闘志をみなぎらせた。選手宣誓を務めた富山南の穴口柚芭(ゆずは)主将(3年)は「一球一打に感謝の思いを込めて全身全霊でプレーし、富山県の夏を熱い夏にする」と誓った。

 入場行進では昨年優勝の高岡商を先頭に、各チームが力強くグラウンドを踏み締め、スタンドでは保護者らが拍手で見守った。

 高岡商の吉本耀主将(3年)が優勝旗を返還。亀谷卓朗大会長(富山県高野連会長)はあいさつで、新型コロナウイルスの影響で昨年まで設けていた観客上限や声出し応援の制限を全て撤廃したことに触れ「大いに盛り上がる大会になるだろう」と期待した。

 大会は8日に1回戦、15、16日に2回戦、22日に3回戦、24日に準々決勝、27日に準決勝、29日に決勝が行われる。

  ●第一声「ありがとう」

 「ありがとう」の第一声で始まった約2分半の選手宣誓。富山南の穴口主将は「富山の高校球児の思いを背負ってうまく言葉にできた。100点満点」と充実感をにじませた。

 6月30日の抽選会で選手宣誓が決まるとすぐ自宅で文章を考え、野球部長や国語科教員の添削を受けて翌日に完成させ、毎日放課後に30分ほど練習を重ねた。

 宣誓では家族や指導者、仲間を思い浮かべながら「多くの方のおかげで私たちは今ここにいます」と力を込め、目標の8強入りへ決意を新たにした。

  ●「最後まで全力で」/司会の金丸、大橋さん

 司会を務めた高岡一の金丸陽向(ひなた)さん(3年)と高岡の大橋楓子(かこ)さん(同)の野球部マネジャー2人は「緊張したけど楽しかった」と笑顔を見せた。金丸さんは球児たちに「最後まで全力で戦ってほしい」とエールを送り、大橋さんは「多くの人が高校野球を応援してくれていると感じた」と気持ちを高ぶらせた。

  ●行進先導「同じ場に立ててうれしい」

 入場行進を先導した小杉の野球部マネジャー岩佐輝さん(3年)は「選手と同じ場に立てたことがうれしい」と目を細めた。誰より近くで選手と喜怒哀楽をともにし「何とかいいチームを作ろうとしているのを見て勇気をもらった。楽しかったと思える夏にしたい」と期待を込めた。

選手宣誓する富山南の穴口主将
司会を務めた金丸さん(左)と大橋さん

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