米、エーザイの認知症薬を本承認 レカネマブ、保険適用も

アルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」の米国での製品イメージ(エーザイ提供)

 【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は6日、エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を本承認した。今年1月、仮免許に相当する迅速承認を出し、米国内での販売が始まっていた。認知症の進行を遅らせるという患者の利益を認め、新薬の実用化に向けた最後の扉を開いた。

 高齢者向け公的医療保険メディケアは、この薬の必要性をさらに検証するためのデータ提出を条件に保険適用した。

 日本でも承認申請しており、秋には承認の可否が判断される見込み。脳神経を傷つける脳内の有害タンパク質「アミロイドベータ」に結合し除去する抗体の薬で、病気の原因に働きかける「疾患修飾薬」と呼ばれる。米イーライリリーによる同種の薬も開発の最終段階で、長く停滞していた認知症治療薬の開発は活発化の兆しを見せている。

 対象は、年齢だけでは説明できない物忘れが現れた軽度認知障害から、生活に支障が出始めた早期認知症の人で、有害タンパク質の蓄積が画像診断で確認できたことが条件。2週間に1度、点滴で投与する。

米国でのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の本承認を受け、記者会見するエーザイの内藤晴夫CEO=7日午前、東京都文京区

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