専門家もビックリ 本州初確認のキノコ「コンルリキュウバンタケ」近縁種を発見 姫路の研究家、新種の可能性も

コンルリキュウバンタケの近縁種とみられるキノコ=姫路市余部区(平山吉澄さん提供)

 沖縄県の石垣島や西表島など亜熱帯地域に分布する「コンルリキュウバンタケ」の近縁種とみられるキノコが、兵庫県姫路市安富町北部の山中で見つかった。発見したのは、同市在住のキノコ研究家、平山吉澄さん(76)。本州で確認されるのは初めてといい、専門家も「発見例が少ないので驚きだ」と話している。(辰巳直之)

 平山さんは約40年前から、兵庫県内でキノコの調査・研究に取り組む。「兵庫きのこグループ」の世話人を務め、各地で観察会などを企画している。

 コンルリキュウバンタケは、傘が直径1~2ミリで、ひだの間隔が広いのが特徴。全体は透明感のある白で、柄の下の部分が夜間に紺色に淡く発光する。

 平山さんが発見したのは6月14日。安富町内で調査中、タデ科の植物イタドリの枯れた茎に発生していた小さなキノコを見つけた。「肉眼では見えにくいが、紺色の部分を写真で確認できた瞬間は驚いた。宝石のようだった」と振り返る。

 平山さんによると、亜熱帯地域以外では、3年前に福岡県内で発見されたが、本州では初めてという。知り合いの研究者に標本を送り、近いうちにDNA検査をする予定だ。平山さんは「コンルリキュウバンタケの近縁種であることは間違いないが、双子葉植物のイタドリに発生した例はないので、新種の可能性もある。DNA解析の結果が楽しみ」と話す。

 神奈川県立生命の星・地球博物館(小田原市)で菌類専門の折原貴道・主任学芸員は写真を確認した上で、「温帯地域の本州で発見されたのであれば、驚きで興味深い。今後、調査が進めば、本州の他の地域でも発見されるかも」と期待していた。

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