【竹田】人や地球にとって健やかな食を提供する仕組みをつくろうと、「アースフードラボ・竹田」が竹田市米納の加工所を拠点に活動している。フードマエストロなど食に関する資格を持つ同市の地域おこし協力隊員斉藤美絵さん(41)を中心に、料理人ら7人で設立。付加価値を高めた商品開発や農家などとの連携に力を入れ、持続可能な環境づくりに取り組む。
斉藤さんは大分市出身で、2020年から同隊員。農業や加工品作りに励む住民と交流する中で「食材や生産者、地域の魅力を広めたい」との思いを強めた。
竹田市への企業版ふるさと納税を通して関わりがあった農業・農産品加工、萬寿企業(東京都)の栗田栄次社長(64)に考えを伝えたところ、意気投合。同社を母体として4月にラボを立ち上げ、米国でビーガン(完全菜食主義者)料理を提供した経験のある料理人や、野菜の端材を活用した酵母パン作りをする職人らも趣旨に共鳴して参加した。
現在は市内の野菜や穀物を主役に、出荷が難しい規格外の作物や野菜の葉などを活用した商品を開発。大根などの葉を使ったジェノベーゼのパスタ、久住高原農業高生徒が育てた市特産のサフランと共に炊き込んだ酢飯で市内産の食材を包んだ太巻きの弁当などを作った。
野菜の栽培にも取り組み、農薬に頼らない農法の研究を進める他、農家とコミュニケーションを取って課題などを共有。子どもや1人暮らしの高齢者に対する食事支援なども企画する。
斉藤さんは「食の楽しさや豊かさを伝えたい。社会課題とも向き合い、人と地球に健全な環境づくりにつながれば」と話した。
弁当は道の駅竹田(市内米納)とグリーンピア天神(市内飛田川)で販売。日程は同ラボのインスタグラムで告知する。