足利に障害者アートのギャラリー開設 趣ある空き家活用、7日から一般公開

施設利用者の作品が並ぶギャラリー「勝靖庵」

 【足利】社会福祉法人渡良瀬会(葉鹿町)が運営する障害者支援施設の利用者が作ったアート作品を展示するギャラリー「勝靖庵(しょうせいあん)」が6日、同町にオープンした。かつて施設利用者の研修所として使われていた築45年の木造2階建ての空き家を活用。上品な雰囲気の和室に、かしわ荘、緑ケ丘育成園など7施設の利用者による独創的な作品約50点が並ぶ。7日から一般公開する。

 同法人の2代目の理事長柏瀬勝次郎(かしわせかつじろう)さんと妻靖子(やすこ)さん=いずれも故人=が、施設利用者らに茶華道などの和の文化に触れてもらおうと1978年に建てた。研修所として利用された後、5年ほど前まで人が住んでいた。

 空き家となった一軒家を有効利用するため、職員からアイデアを募ったところ「身近な場所で作品を常設展示することが、施設利用者の張り合いになるのでは」と、ギャラリーとする提案が寄せられた。

 ギャラリーは、昭和の建物と作品が輝き合う展示空間になるよう仕立てられている。名称は勝次郎さんと靖子さんの名前から1文字ずつ取って付けられた。

 1階では茶室や居間に、施設利用者が制作した絵画や立体作品を展示している。他にも、ふすまに投影した施設紹介の映像などを見られる部屋がある。

 2階には勝次郎さんと靖子さんが所有していた茶道や能の道具を展示。文化芸術に精通していた2人の活動の一端を垣間見ることができる。

 2人の長男柏瀬悦宣(かしわせえつひろ)理事長(73)は「皆さんに楽しんでもらえるギャラリーになってほしい」と話し、将来的には貸し出しも行いたい考えだという。

 一般公開日は毎週金曜、午前10時~午後3時半。入場無料。見学は予約制。電話で申し込む。(問)かしわ荘0284.62.0227。

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