大地の母 本庄店 〜 府中焼と鉄板焼の専門店!府中焼の魅力をもっと世に広めていきたい

府中焼(ふちゅうやき)」を知っていますか?

福山市の北西隣に位置する府中市の、ご当地お好み焼です。

福山市内でも、少しずつ府中焼の提供店が増えてきました。

そんな府中焼の専門店のひとつが「府中お好み焼き 鉄板焼き 大地の母 本庄店(以下、大地の母 本庄店)」です。

数種類の府中焼やトッピングがラインナップし、さらに定食、鉄板焼料理、丼などのサイドメニューやドリンクも豊富。

夜には飲み屋代わりにも使える、地域の憩い場のような店です。

大地の母 本庄店の魅力やこだわりを深掘りしていきます。

府中市名物のお好み焼「府中焼」の専門店

大地の母は愛媛県松山市に本店がある、お好み焼店です。

愛媛県内に3店舗、広島県福山市に1店舗があり、本庄店は広島県唯一の店舗となります(2023年6月時点)。

また、もともと大地の母は広島お好み焼がメインの店ですが、本庄店と愛媛県の伊予店は、「府中焼」がメインの店です。

府中焼とは「府中お好み焼」のことで、福山市の北西隣に位置する府中市で古くから食べられている名物お好み焼

おもに以下のような特徴があります。

  • 広島お好み焼と同様に「重ね焼き」のスタイルで調理される
  • 基本メニューとしては豚バラ肉は入らず、代わりに「挽き肉ミンチ肉)」を使用
  • ほかの具材はキャベツで、モヤシや豚バラ肉などは基本の状態では入らない

挽き肉より染み出した脂分が全体に広がって香ばしい風味を醸し出し、麺がカリカリッとした食感に仕上がります。

また大地の母 本庄店では府中焼だけでなく、各種鉄板焼料理も豊富にラインナップしており、お酒を楽しみながら食事できるのも魅力です。

店内は、カウンター席とテーブル席があります。

テーブル席は4人がけが1卓、6人がけが2卓

すべての席に鉄板が据え付けられているので、どこでも熱々のお好み焼を鉄板から直にほおばれるのは、大きなポイントです。

大地の母 本庄店のメニュー

2023年(令和5年)時点の情報。 価格は消費税込

大地の母 本庄店では、メインメニューの府中焼だけでも種類がかなり豊富です。

そのうえトッピングも充実しているので、選ぶのが楽しいです。

そばは「うどん」に無料で変更できます。
プラス66円で、辛麺への変更も可能です。

うどんや辛麺は「これじゃないといけない」という、熱狂的なお客がいるそう。

このほか、時季限定のメニューもあります。

さらにはランチタイム限定定食・セットメニューも。
とてもお得なので、おすすめです。

大地の母の府中焼の基本形は牛脂ミンチを使用し、豚バラ肉などの肉は使いません。

そのため、「肉玉」の「肉」は牛脂ミンチを指しています
通常のお好み焼とは異なるので、注意してください。

ちなみに「肉玉豚そば」や「肉玉鶏そば」を選べば、牛脂ミンチとともに豚バラ肉、鶏モモ肉が入ります。

大地の母は愛媛県松山市が本拠ですが、松山市三津浜地区のご当地お好み焼として「三津浜焼(みつはまやき)」があります。

三津浜焼の人気店で、牛脂を入れる店があるそうです。

それをヒントにして、大地の母 本庄店でも和牛牛脂トッピングを取り入れたとのこと。

また、サイドメニューも豊富です。

各種鉄板焼料理から丼ものまで、府中焼以外もいろとりどり。

ほかに、アルコール類などのドリンクメニューやデザートもラインナップ。

宴会メニューもあります。

府中焼などは、持ち帰りやフードデリバリーサービスにも対応。

持ち帰り・宅配のパックには、メッセージとかわいらしいイラストが描かれるのも、大地の母 本庄店の特徴のひとつです。

持ち帰りや宅配を注文した際に、確認してみてくださいね。

卓上の調味料類

人気・おすすめのメニュー

府中焼も鉄板焼料理も豊富にラインナップしている、大地の母 本庄店。

たくさんあるメニューのなかから、人気のメニューやお店イチオシのメニューを紹介します。

府中焼 肉玉そば

大地の母 本庄店の一番人気は、府中焼の基本形である「肉玉そば」(869円)です。

ソースは、控えめにかかっています。
好みに応じて、卓上の追加用ソースをかけましょう。

麺は牛脂ミンチの脂分で表面がカリカリになっているのが、見た目からもよくわかります。

食べてみると、想像以上にカリカリッと軽快な歯ごたえで、とても香ばしいです。
まるで煎餅のよう。

中のキャベツはとろけるような舌触りで、ほのかな甘味とみずみずしさです。
そこに牛脂ミンチの脂の風味や香ばしさが加わります。

そして食べすすめていくと、キャベツの中から玉子が出現しました。

まるで目玉焼のような、ホクホクとした黄身の味わいがたまりません。

また一番下側にある生地も、パリッと仕上がっています。

麺の食感と香ばしさ、キャベツのおいしさでアッという間に食べ終えてしまいました。

府中焼 牛すじ煮込み玉そば(辛麺変更)+和牛牛脂トッピング

少し豪華な府中焼の「牛すじ煮込み玉そば」(1,309円)もおすすめです。

取材時は、麺を「辛麺」(プラス66円)に変更。

またお店のおすすめで、人気のトッピング「和牛牛脂」(プラス66円)も追加しました。

牛すじ煮込み玉そばは、府中焼の上に牛すじ煮込みとネギが載っています。

麺は辛麺なので、少し朱色がかっているのが特徴です。

そして辛麺も焦げ目がほどよく付いており、見るからに香ばしそう。

食べると、辛麺はカリカリとした食感で、香ばしさとともに適度なピリ辛さが広がってきてクセになる味わい。

また和牛牛脂が入っているので通常の府中焼よりも香ばしさが増しています。

そして牛脂のうまみが全体から感じられ、食が進みました。

牛すじ煮込みはホロホロとした柔らかな食感で、甘めの甘辛味がシッカリと染み込んでいます。

これが府中焼との相性抜群です。

府中焼 肉玉豚うどん

「やっぱり”肉”を食いたい!」というときには「肉玉豚そば」(979円)がおすすめです。

牛脂ミンチに加えて、豚バラ肉が入っています。

取材時は、そばを「うどん」に変更して「肉玉豚うどん」(979円)を注文しました。
値段は、そばと変わりません。

うどんも、そばや辛麺と同じくきれいなキツネ色の焦げ目が付いて、香ばしそう。

食べると香ばしさとカリカリの食感で、表面とは違ってうどんの中のほうはモッチリとした食感もあります。

香ばしさとカリカリ感とともにモッチリ感も楽しめるのは、そばや辛麺とは違ったうどん独特の味わいです。

またキャベツの味わいや玉子の風味とともに、ときおり豚バラ肉の香ばしさや甘味もしてきます。

肉の味わいがシッカリと楽しめると、食べごたえがあります。

ガーリックバター飯 牛ハラミ飯

豊富な鉄板焼料理のなかでも人気がある「ガーリックバター飯」。

ガーリックバター飯だけでも数種類がラインナップしており、そのなかから一番人気だという「牛ハラミ飯」(1,353円)を食べました。

ガーリックバター飯は、鉄皿での提供です。

炒められて薄ベージュ色となったガーリックバター飯の上に、焼いた牛ハラミ肉が載っています。

横には、キムチが添えられていました。

食べると香ばしさとほどよく甘辛い味わい、バターのかぐわしい風味、ニンニクの香りが口いっぱいに広がって食が進みます。

ハラミは噛みしめると、香ばしさと肉のうまみがジンワリと染み出てきておいしいです。

なお各種ガーリックバター飯には単品だけでなく、ごはん・味噌汁・漬物が付く定食もラインナップ。

単品でも、漬物は付いています。

ランチ営業限定 ランチセット「定食セット」

大地の母 本庄店では、ランチ営業時限定でランチセットメニューがあります。

府中焼にいろいろなサイドメニューが付くので、大変お得です。

各種ランチセットのなかから、「定食セット」(プラス396円)を注文してみました。

府中焼は「肉玉豚うどん」です。

定食セットは府中焼に、以下のものが付いてきます。

  • ごはん
  • 味噌汁
  • サラダ
  • 漬物

非常に盛りだくさんな内容です。

たっぷりのサラダが付くのは、栄養面を考えても非常にうれしいですね。

たくさんの府中焼と、鉄板焼料理の数々が楽しめる大地の母 本庄店。

大地の母を運営する株式会社 大地の母フードサービスの代表取締役・土居正人(どい まさひと)さんへインタビューをしました。

大地の母の代表・土居 正人さんへインタビュー

たくさんの府中焼と、鉄板焼料理の数々が楽しめる「府中お好み焼き 鉄板焼き 大地の母 本庄店」。

大地の母を運営する株式会社 大地の母フードサービスの代表取締役・土居正人(どい まさひと)さんへ話を聞きました。

広島のお好み焼のおいしさが忘れられずお好み焼の道へ

高井店の店内のようす(写真提供:大地の母フードサービス)

──開業の経緯について教えて欲しい。

土居(敬称略)──

もともと地元・愛媛県でずっと飲食業界で働いてきました。
いろいろな分野で働いてきましたが、イタリア料理が長かったですね。

そんなあるとき、広島市に行くことがあり、広島のお好み焼を食べたんです。

すると、お好み焼がすごくおいしくて。

愛媛に帰っても広島のお好み焼のおいしさが忘れられず、お好み焼店をやろうと決心しました。

そして勉強のため、愛媛で2つのお好み焼店を掛け持ちして働くことにしたんです。

広島風から大阪風まで、幅広く扱うお好み焼店でした。

また空いた時間には、広島へ行ってお好み焼を学んでいましたね。

こうして2012年(平成24年)1月、松山市内に「広島お好み焼き 鉄板焼き 大地の母」を開業しました。

──変わった店名だが、由来は?

土居──

「大地の母」とは、チベットでエベレストを意味する言葉なんです。

チベットの言葉で、エベレストを「チョモランマ」というのを聞いたことがないでしょうか。

チョモランマを日本語に訳すと「大地の母」なんです。

日本では昔から、よく縁起を担いで社名・店名に「富士」を使ったりしますよね。

もっと上を目指そうということで、富士山より高いエベレストから「大地の母」と命名しました。

愛媛県外での出店を決意。府中焼に魅了されて福山へ府中焼店をオープン

とんぺい焼(写真提供:大地の母フードサービス)

──福山へ本庄店を出店した理由は。

土居──

1号店を開店して約5年後に2号店、約9年後に3号店を出店しました。

ただ同時に、心のどこかに限界のようなものも感じていたんです。
このまま先へ進んでも、どこかで壁にぶつかるだろうと……

そこで起爆剤として、本場・広島でお好み焼店をやってみようと考えました。

競合が多く、お客様の舌も肥えている広島でお好み焼店をやることで、自信とノウハウを手にできるんじゃないかと思ったんです。

そうすることで、愛媛の他店にない当店ならではの強みになるという考えでした。

広島でお好み焼店に挑戦しようと決めたあと、広島県内には広島市のお好み焼以外にもいろいろあることに気づきます。

そこで、広島県内のさまざまなお好み焼を食べてみました。

そのなかで出会ったのが、府中焼です。

最初に府中焼を食べたとき「いままでこんなお好み焼は食べたことがない!」と衝撃が走ったのをよく覚えています。

「やるんだったら府中焼で決まりだ!」と決心しました。

ただ本来なら、本場である府中市で店を出すべきですが、都市規模や商圏などを考え、隣町である福山市で府中焼の店をすることにしたんです。

そうして2022年(令和4年)に、福山市本庄地区に「府中焼き 鉄板焼き 大地の母 本庄店」をオープンしました。

4号店となり、初めての愛媛県外の店です。

府中焼の味を独学で試行錯誤して完成させていく

──府中焼はどのように学んだ?

土居──

実は修業などは、やっていなんです。

府中焼をやると決めてから、府中市内の人気の府中焼店に客として足繁く通いました。

そして府中焼を実際に食べて、自分の舌と目で学び、帰ってからそれを再現する練習を何度も繰り返したんです。

あとは、実際に運営しながら試行錯誤をしています。

伊予店の店内のようす(写真提供:大地の母フードサービス)

──福山に店を出してみての感想は?

土居──

府中焼は初めての挑戦だったので、受け入れられるか心配でした。

しかし開店してみると、思ったより多くのかたに来店していただけ、おいしいといってもらえており安心しています。

福山の店が好評だったことから、不調だった3号店のテコ入れとして、広島お好み焼の店から府中焼の店へリニューアルしてみたんです。

愛媛では府中焼を知らないかたも多く、初めて食べるというお客様も多いのです。

初めてのかたにも府中焼は好評でして、リピーターになるお客様もおられます。

なお、広島お好み焼が好きなかたもいるだろうから、3号店は府中焼の店としつつ、同時に広島お好み焼も出す店にしています。

府中焼らしさを追求しつつ、三津浜焼の要素も取入れて愛媛らしさも

若鶏の鉄板焼(写真提供:大地の母フードサービス)

──大地の母での府中焼のこだわりを知りたい。

土居──

こだわりのひとつは、です。

愛媛の広島お好み焼の店では、麺は愛媛県内の製麺業者にお願いしたものを使っています。

本庄店では、府中市の製麺業者の茹で麺を使っているんです。

いろいろな業者の麺を試しましたが、どうしても府中市の麺でないと理想の味が出なかったんです。

愛媛県内の府中焼の店(3号店)も、府中市内から麺を取り寄せています。

あとは、キャベツの切り方にもこだわりがありますね。

愛媛の広島お好み焼の店よりも、細くキャベツを切っています

府中焼をつくるとき、あまり上から押さえないんです。

だからあまり上から押さえなくてもシッカリと火が通る細さを調整したところ、現在の細さに行き着きました。

3つめのこだわりは、トッピングの和牛牛脂です。

松山市の三津浜地区で生まれた「三津浜焼」というお好み焼があります。

この三津浜焼の店のなかに、牛脂を入れる店があるんです。

これがすごくおいしくて。
牛脂のうまみが広がり、香ばしさが増すんです。

だから福山のみなさんにもこのおいしさを知ってほしくて、当店ならではのトッピングとして和牛牛脂を取り入れました。

おかげさまで和牛牛脂のトッピングは非常に好評で、一番人気のトッピングです!

宴会コースの例(写真提供:大地の母フードサービス)

──福山の本庄店の特徴は?

土居──

メニューの豊富さは、売りのひとつです。

府中焼から各種鉄板焼料理、丼、そしてお酒まで幅広くラインナップしています。

お昼ごはんだけでなく、夜は飲み屋代わりとしても楽しめるお店です。

あとは私の経営面のモットーとして、自分のこだわりをお客様へすすめるというのではなく、お客様の声を聞いて具現化するという点があります。

ですから、お客様の要望に応えて生まれたメニューもありますね。

あと、やっぱりお客様に喜んでもらいたいという気持ちで働くことにもこだわっています。

これはスタッフも含めて、全員が同じ気持ちで働くように肝に銘じていますね。

あいさつや行動の一つひとつに、お客様に喜んでほしいという気持ちが表れると思っているからです。

広島お好み焼や府中焼を盛り上げたい!

──今後の展望や目標があれば、教えてほしい。

土居──

コロナ禍があり、そしてモノの値上がりが続くという世の中です。

なかなか利益が出しにくい環境になってきていると思います。

ですから、コンスタントに利益が出せる仕組みづくりをシッカリとしていくことが目標ですね。

あと府中焼の名前は、愛媛県では知名度が低いです。
愛媛だけでなく、広島県外だとまだまだ知名度が低い状況。

ですから、府中焼を広めていくことが目標です。

もちろん当社には、原点である広島お好み焼をメインにしている店舗もありますから、広島お好み焼も大事にしていきます。

広島お好み焼も府中焼も、双方盛り上げていきたいですね!

府中焼から各種鉄板料理まで楽しめる大地の母 本庄店

(写真提供:大地の母フードサービス)

香ばしい府中焼も種類豊富でおすすめですが、ガーリックバター飯などの鉄板焼料理や丼もおすすめです。

お酒を飲みながら料理を楽しんでもいいですし、お昼に府中焼を定食とともに楽しむのも魅力的。

ぜひ大地の母 本庄店で、こだわりの府中焼や鉄板焼料理を食べてみてください。

持ち帰りやフードデリバリーでの注文もおすすめです。

© 一般社団法人はれとこ