旧海軍射撃場が原因? 佐世保競輪場で基準超の鉛 新スタンド供用、半年遅れる可能性

基準を超える鉛が検出された佐世保競輪場=佐世保市干尽町

 リニューアルに向けて大規模改修中の佐世保競輪場(長崎県佐世保市干尽町)の敷地内で、土壌の鉛含有量が土壌汚染対策法の基準を超える場所があることが判明した。佐世保市は今夏から汚染の有無を詳しく調査することにしており、汚染が確認されれば適切に処分する方針。敷地は大正時代に旧海軍の射撃場として利用されており、原因となった可能性がある。
 市は老朽化したメインスタンドを全面改修し、近隣に憩いの広場「ケイリンパーク」を整備する。2025年7月ごろに運用を始める予定だったが、半年ほどずれ込む可能性があるという。
 基準超の鉛が検出されたのは食堂棟や警備棟、メインスタンドに挟まれたエリア。市環境部によると、9カ所を調べ、鉛の含有量が最大で基準の4倍、溶出量が同4.6倍だった。基準内の場所もあった。
 今後はメインスタンドを中心としたエリア約3700平方メートルに調査範囲を広げ、汚染の有無を確認する。
 もともと、メインスタンド内にガソリンの保管庫があり、昨年11月、特定有害物質ベンゼンを対象に調査。ベンゼンは検出されなかった。しかし過去の土地利用を調べる地歴調査をしたところ、射撃場として利用されていたことが分かり、鉛についても調べていた。
 市競輪事務所によると、メインスタンドの新築工事費は約35億5千万円。汚染が確認された場合は追加の予算措置が必要になる。同事務所は「調査で範囲を確定し、汚染が確認されれば適切に処分していきたい」としている。

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