髪の毛と同じ大きさのお城!? 実物の1/170,000の模型に「凄すぎる」「落としたら絶望」

髪の毛1本サイズの大きさしかない3Dプリンターで作ったお城の模型がTwitterで5.5万のいいねを集めています。(2023年7月5日時点)
投稿したのは株式会社キャステムのプロダクトマネージャーであるIRON FACTORY IKEDA(@IRON_IKEDA)さん。

投稿によるとこのお城は福山城をモデルに作成したようです。このお城の模型は実物の1/170,000の大きさだそう。
今回この模型を作った株式会社キャステムさんに話を聞きました。

髪の毛サイズのお城(@IRON_IKEDAさんより提供)

ー髪の毛サイズのお城は3Dプリンターで作ったものでしょうか?

キャステムと京都先端科学大学で協働研究を進めている世界最高精度の3D光造形装置Nanoscribe(ナノスクライブ)システム(3Dプリンター)を利用して製作しています。
液体樹脂にレーザーを照射し、固めて造形する光造形となります。

この3Dプリンターは、積層2光子重合の3D造形技術とサブミクロンの分解能を持つIP樹脂を用いることで、従来の製法では不可能な形状や精度の製品を製造することが可能です。

ーこの作品は肉眼で少しだけでも確認することができますか?

ほこりのような点にしかみえませんが、何かあるということは確認できます。

ーこの作品はどのくらいで作ることができるのでしょうか?

3Dデータさえあれば、形状、サイズにもよりますが1日で製作可能です。

髪の毛の上に乗る戦艦大和(@IRON_IKEDAさんより提供)

@IRON_IKEDAさんのSNSにはこの小さいお城だけでなく、髪の毛の上に乗った戦艦大和の模型やミニチュアの工具シリーズなども投稿されていました。
近づいて見ただけでも風で吹き飛んでしまいそうな大きさですが、これらの作品はどのように扱っているのでしょうか。

ー実際に作った髪の毛サイズのお城や戦艦大和などの小さい作品はどのように保管していますか?

プラケースに入れた状態で保管しています。

ー株式会社キャステムさんでは、普段どのようなものを作っているのでしょうか?

弊社は1970年創業の鋳造(ロストワックス精密鋳造)と焼結(金属粉末射出成形)、2つの製造技術を用いて印刷機や工作機、電車、ロケット部品、医療機器など、さまざまな産業の金属部品の製造をおこなっています。

ー実際にこの大きさの依頼がくることはあるのでしょうか?その場合、どういった用途で使用されることが多いですか?

あります。血管内を映すカメラなど極小のレンズであったり、超小型機器のギア部品(MEMS)などがあります。その他、極小鉗子の部品、刺しても痛くない医療用の針、生物の一部再現などにも応用可能で、研究開発が進んでおります。

肉眼でもはっきりと確認できない極小すぎる製品たち。
投稿には「カーペットに落としたら絶望説」「凄すぎるし、電子顕微鏡でしか見えないの草」などのコメントが寄せられています。

これらは医療などの私たちの生活に必要なものとして役目を担っていることが分かりました。気づいていないだけで日々お世話になっているのかもしれません。私たちの生活を支えてくれている技術に驚きです。

ほ・とせなNEWS編集部

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