橋杭岩に天の川 織り姫とひこ星が「再会」、和歌山・串本

橋杭岩の上に架かる天の川(6日午後9時半ごろ、和歌山県串本町くじの川で)=露光時間20秒

 6日夜、和歌山県串本町くじの川にある橋杭岩の上方の空に、橋杭岩に沿って流れるような天の川が見られた。1年に1度、七夕の夜に再会するといわれている織り姫(ベガ)とひこ星(アルタイル)が天の川を挟んで向かい合っている。

 七夕伝説は中国から伝わったとされる。神様の娘で機織りをする織り姫と、牛飼いのひこ星は働き者だったが、結婚後は仕事をせずに遊んで暮らしていた。働かないことを怒った神様は、天の川の両岸に引き離してしまう。二人は悲しみのあまり泣き暮らした。そんな姿をかわいそうに思った神様は真面目に働くことを条件に、年に1度だけ会わせてやると約束した―という。

 この日午後9時過ぎ、東の空に横たわった状態の天の川を見ることができた。夏の大三角で知られる「ベガ」「アルタイル」「デネブ」も明るく輝いていた。

 国立天文台によると、織り姫とひこ星の間は14.4光年ほど離れている。二人が光の速さで移動しても1年に1度会うことは不可能だという。

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