京都・宮津の薬局経営男性刺殺、61歳男に懲役17年判決

京都地裁

 京都府宮津市で2021年に薬局経営の男性が刺され死亡した事件で、殺人などの罪に問われた無職木下恭章被告(61)の裁判員裁判の判決公判で、京都地裁は7日、懲役17年(求刑懲役20年)を言い渡した。

 起訴状によると、21年9月23日午前10時50分ごろ、宮津市鶴賀の薬局の駐車場で同店経営の平木公隆さん=当時(50)=の背中をバタフライナイフで刺した。さらに平木さんを追いかけて近くの病院玄関付近で左胸などを複数回刺し、死亡させたとしている。

 これまでの公判で検察側は、木下被告が事件前、平木さんから飲み会の費用負担を巡って文句を言われたため腹を立てたと指摘。ナイフを購入するなどし、平木さんに対して危害を加える可能性を事前に認識していたと主張した上で、「言動は正常心理として理解でき、完全責任能力があった」と述べていた。

 弁護側は、覚醒剤による精神障害の影響で善悪を判断する能力が欠けていたなどと述べ、仮に心神喪失が認められなくても心神耗弱にあたると主張していた。

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