「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」の第1回会合が開かれる

政府の「地方創生に資する魅力ある地方大学の実現に向けた検討会議」の第1回会合が開かれ、専門職やUターンの就職率で高水準を維持している美作大学・同短期大学(北園町)が好事例として紹介された。
同会議は、昨年閣議決定した第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改訂に向けて実施される。幅広い分野の専門家らを委員に、人材育成や経済・社会基盤の面で期待がかかる地方大学のあるべき姿を考えるのが目的だ。
会合は2日に中央合同庁舎(東京都)で開かれた。文科省が示した資料によると、美作大の特色は、「食・子ども・福祉のスペシャリストを養成する〝教育力〟」。2015~18年の実績として、食物、児童、社会福祉学科でいずれも専門職の就職率が80%を超えるほか、岡山県出身者の県内就職率が85・6%(全国平均29・4%)など、卒業後に生まれ育った県に帰る学生が多い現状が取り上げられた。
会合では、進学時の都市部への流出などを課題視し、地域特性やニーズを踏まえた教育、イノベーション(技術革新)の創出・実装に取り組む大学の機能強化が重要であると指摘された。質の高い人材を育てるには、各地域で高等教育のグランドデザインを議論し、自治体や産業界を含めて大学を支える存在が必要であるとした。
このほか、鳥取県内の産学官連携の中心を担う鳥取看護大(倉吉市)など、全国の国公私計8大学も好事例として紹介された。
鵜﨑実学長は「大学の監督機関から評価が得られたのは、長年の積み重ねが認められた結果であり、『地方大学の雄』を目指す上で大きな意味をもつ。教職員のさらなる熱意につながる」としている。

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