夜間になると薄緑色に光るキノコ「シイノトモシビタケ」が、神戸市北区の六甲山中で幻想的な輝きを放っている。
高さ1~3センチ程度、かさは直径1.5センチ前後。一説にはホタルと同様、酵素の働きによって発光物質が反応しているとされる。闇夜の森林でほのかに浮かび上がる姿から「森の妖精」とも呼ばれる。
元々は和歌山県や東京・八丈島など温暖な地域に分布する。神戸市立森林植物園(同市北区)によると、数十年前に九州から六甲山に移植した南国産の木に胞子が付着していたため、自生するようになったという。湿度が高いこの時期、古木の根元やくぼみでひっそりと光を放つ。(風斗雅博)