34年前死亡の男性 医師の証言のみでアスベスト労災認定

札幌市の男性が34年前に中皮腫で死亡したのは勤務先で吸ったアスベストが原因だとして労災認定を受けました。死因を証明できる書類がない中、医師の証言のみによる認定は異例ということです。アスベスト被害者らの支援団体によりますと、当時札幌在住だったこの男性は1967年5月から2年半ほど札幌の建設会社でトンネル工事などに携わり、アスベストを吸い込んだとみられます。男性は1988年にアスベストを原因とする中皮腫を発症、その1年半後に41歳で亡くなりました。男性の妻は去年3月労災を請求しましたが、死因を証明できる書類がなく、一度は不認定になりかけました。しかし、その後、当時の担当医が「男性が中皮腫で死亡した」と証言し、札幌中央労働基準監督署がことし1月、労災と認定しました。支援団体によると、証言のみの死因確認による労災認定は全国で初めてだということです。支援団体事務局沢田さん「未救済者が多い中で一石を投じた事例であり、ほかの被害者に対して、どのような状況にあっても諦めず請求をしてくださいと伝えたい」。支援団体は、あす札幌市内で相談会を行うほか、フリーダイヤルでも相談を受け付けているということです。

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