大物 創業者の思い、共通認識に 社内にライブラリー

大物(大阪市)はこのほど、創業者・日阪一郎氏(1928~2021)の写真や思い出の品などを展示したライブラリーを本社内に開設。取引先やOBなどの関係者が訪れ故人を偲んでいる。

ライブラリーには若き日の姿から、日清食品「チキンラーメン」の販売に奔走した現役時代、引退し家族とともに過ごした日々など懐かしい写真が並ぶ。

同社は今年創業65周年を迎える。また、一郎氏から現社長の日阪俊典氏がバトンを引き継いで10年が経った。俊典社長は「65年の歴史を作った創業者のことを忘れず、その思いをしっかり受け止め、これからも経営を続ける。創業者の思いがあってのわれわれだということを忘れないように」と開設の意図を話す。

◇ ◇

俊典社長に就任から10年を経た思いや、食品業界について聞いた。

健康経営へ 体も心も健全に

2006年に大物に入社し、13年に社長に就任してから10年が経った。これからも新しい目標に対し、より意欲的に取り組んでいく気持ちだ。

当社は健康経営を5年間続けてきた。体だけでなく心の健康や経営姿勢の健全さを持ち続けることが大事。そして創業者の思いを社員が共通認識として持ち、会社全体が動いていくことで対外的な信用を高め、評価される会社であり続けたい。

食品業界全体について言えば、コロナ禍を経て、食品卸、製造、流通が社会のために果たす役割が今まで以上に見直されていると強く感じる。目標に向かって三層がスクラムを組んで取り組む必要があり、そうすることが社会貢献にもつながると考えている。

© 株式会社食品新聞社