「ふくアプリ」にバスや電車の予約、決済機能を搭載へ 福井県のMaaS協議会で確認

アプリを活用した一体的な交通サービス提供に向け、連携を確認したふくいMaaS協議会の会合=7月6日、福井県の福井市防災センター

 アプリを活用した一体的な交通サービスの構築に向けた「ふくいMaaS(マース)協議会」の本年度初会合が7月6日、福井市防災センターで開かれた。北陸新幹線開業に合わせ来春提供を開始するサービスについて、複数の移動手段にまたがる経路検索のほか、福井、奥越、丹南それぞれの地域特性に応じた電子企画切符販売など、観光客の旅路を便利で豊かにする事業を確認した。

 嶺北11市町や交通事業者、金融、マスコミなど23団体でつくる同協議会は昨年5月に発足。バスや鉄道などを組み合わせて検索、予約、決済までを一括で利用できる機能の構築を目指す。福井新聞社と福井銀行の共同出資会社「ふくいのデジタル」が提供する「ふくアプリ」のサービスの一つとして24年3月の利用開始を想定している。

 経路検索は、バスやタクシーを組み合わせたり、各移動手段の所要時間や金額を比べたりできるようにする。観光スポットやイベント情報とのひも付けも検討。登録駅の発車時刻通知機能を設ける方針。

 電子企画切符は、昨年度の実証実験で公共交通共通フリー切符や食事券とのセットなど16種類を用意。5カ月で444枚の購入があり県外客が77%を占めた。成果を踏まえ、時間制フリー切符や地域特性に応じた内容など、今秋ごろをめどに検討を進める。

 シェアサイクルの予約機能も搭載するほか、来年度以降はデジタル定期券やデマンドタクシー予約など、日常利用の促進につながるサービスも順次実装していく方針。嶺南との連携やマースサービスを先行する金沢、加賀との企画切符の相互販売なども模索していく。

 福井大学講師の浅野周平会長は「ふくアプリにはすでにデジタルクーポンや地域通貨など観光客の利便性を高めるサービスがそろっている。利用者目線に立った使い勝手を追求したい」と話した。

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 会合には委員23人が出席。昨年度収支決算の報告があり、本年度の収支予算案を承認した。次回会合は秋ごろを予定している。

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