「市の事故調査委員会の報告は“間違い”」楽団が反論 静岡・裾野市スプリンクラー問題

静岡・裾野市のホールで、突然、スプリンクラーが作動し、楽団の楽器などが被害を受けた問題で、楽団は市の事故調査委員会の最終報告は「間違いだ」と反論しました。また、直接、村田市長に原因を報告する機会を設けたいと話しました。

この問題は、2022年9月、裾野市民文化センターで、焼津市の楽団「シンフォニエッタ静岡」がリハーサルをしていたところ、突然、スプリンクラーが作動し、演奏者が転倒するなどして5人が重軽傷を負ったうえ、高額な楽器などが被害を受けたものです。

原因を巡り、6月、市の事故調査委員会は「バルブに傷が確認され、配管内で漏水があったが、誤作動に至るほどの漏水量があったとは特定できない」とし、最終報告としては「原因が特定できなかった」と結論付けました。

この結論について、7日、楽団は改めて「漏水が原因だ」とした上で、さらに、漏水が発生した際に水を排出させる「自動排水弁」が設置されていないこと自体、“設備に瑕疵があった”と主張しました。

(シンフォニエッタ静岡 芸術監督・指揮者 中原 朋哉さん)

「少量でも多量でも漏水があれば排出できる、自動排水弁装置がついていなかったこと自体がアウト」「スプリンクラー設備に瑕疵がある、その施設の設置者である裾野市には責任がある」

また、楽団側は、設備の「漏水量」について、事故調査委員会の報告とは“大きく異なる”と指摘。事故調査委員会が示した漏水量に対し、楽団の独自調査ではスプリンクラーの4つの系統で、数十倍から多い所で100倍以上の漏水があった可能性があるということです。また楽団側は、これまで村田市長が一度も面会に応じてこなかったことを念頭に、「楽団の主張を直接、市長に話す機会を設けたい」との考えを示しました。

(シンフォニエッタ静岡 芸術監督・指揮者 中原 朋哉さん)

「裾野の文化センターで事故調の結論は間違っていると説明に行って、 直接、市長と副市長に話を聞い てもらおうと考えている」

一方、市は「和解金の支払いに向け協議をする」方針を示していて、楽団側は「まず協議を進める以前の話し合いには応じていく」との認識を示しました。

© 株式会社静岡第一テレビ