6日試合前の時点でオールスターまで残り10試合、3位の広島カープは首位・阪神と前半戦最後の直接対決に挑みました。
1勝1敗のタイで迎えた6日の阪神との3戦目。カード勝ち越しを狙うカープの先発は、1週間前、今シーズン初登板で好投した投手陣最年長の 野村祐輔 でした。立ち上がり、球がやや高めに浮きながらも、コーナーワークは健在。打たせて取るピッチングにバックも守備で応えます。
1回、いきなり 菊池涼介 がファインプレーを見せれば、2回はスタメンの 松山竜平 がファーストでいい反応を見せます。
先制点で野村を援護したい打線は、その裏。2アウト・1塁でこのカード初戦から1軍に復帰したものの、ここまでヒットがなかった 小園海斗 。
実況
「第2球を投げました。打ちました。右中間、打球は伸びてゆく。ライトが下がっていく。打球は伸びて、伸びて、伸びて、どうだ。入った」
今シーズン、第1号の2ランホームランで先制します。
チーム一丸のプレーに、野村は投球のリズムを取り戻し、3回はシュートを駆使して10球で3者凡退に仕留めます。
このいい流れに攻撃陣も乗ります。その裏、1アウトから 野間峻祥 が全力疾走でチャンスを作ると、好調の4番・西川龍馬 が追い込まれながらもタイムリーを放ち、勝利への気迫を得点につなげます。
こうなると完全にカープのペース。野村は、続く4回、4番・大山を絶妙なコントロールで見逃しの三振に封じるなど、その後も抜群の制球力をみせ、ていねいに投じた81球で6回を無失点。2塁を踏ませない投球内容で今シーズン初勝利の権利を手にします。
その後を受けたリリーフ陣も全力投球。8回、安定感の増した 島内颯太郎 が153キロをマークするなど、1イニングをピシャリ。
するとその裏、カープはさらに総力で追加点を奪います。
先頭打者の代打・末包昇大 がヒットで出塁します。ここで代走の切り札・羽月隆太郎 が登場。きっちり盗塁を成功させます。
続く 菊池涼介 がバントを決め、羽月は3塁へ。最後は野間が、内野ゴロを放つ間に羽月がホームイン。この回、ヒット1本で貴重な追加点を奪い、リードは4点。
9回のマウンドにはセーブシチュエーションではありませんが、万全を期して、新守護神・矢崎拓也 。
完封リレーで締めくくり、カープは快勝。これで首位・阪神に2.5ゲーム差まで迫りました。
広島カープ 野村祐輔 投手
「まずは自分のピッチングができるようにと思ってマウンドに上がった。打たせて取る投球ができて、バックに守ってもらって、本当によかった」
広島カープ 小園海斗 選手
「(1軍復帰後)なかなかヒット出ていなかったので、開き直って思い切り自分のスイングをしようと思って立ちました。これからも変わらず積極的にやっていければと思う」
― 野村は今シーズン初登板だった先月29日のDeNA戦で6イニング、今回も6イニング、計12イニング投げて、無四球を継続中。また、12イニング全てで先頭打者を一度も出していません。
― また、西日本豪雨から5年経ったことを受けて、「ぼく自身、広島で育ててもらったと思っているので、これからも長く、広島でがんばりたい。野球ができることに感謝して、本当にがんばっていきます」と話していました。