「自分の様子がおかしい」と事件前に警察に相談 軽トラックで児童4人をはねた容疑者

宮城県栗原市の小学校の敷地で、児童4人が軽トラックにはねられけがをした事件について、逮捕された男が事件の2時間前に「自分の様子がおかしい」と警察を訪れ相談していたことが分かりました。

6日午後3時ごろ、栗原市の若柳小学校で児童4人が侵入してきた軽トラックにはねられけがをしました。

警察は、運転していた近くに住む小野寺章仁容疑者(34)を4人のうち3人をはねた殺人未遂の疑いで逮捕しました。

警察によりますと、小野寺容疑者は事件の約2時間前「自分の様子がおかしい」と若柳警察署を訪れていたことが分かりました。

警察官が1時間ほど相談にのると、小野寺容疑者は親族に迎えに来てもらい警察署を出ましたが、その後犯行に及んだとみられています。

小野寺容疑者は、その前にも複数回若柳警察署に相談をしていました。

坪谷歩香記者「午前9時過ぎです。警察が到着し事件現場を調べている様子が見られます」

小学校は7日に休校となり、警察は学校関係者の立ち合いの下で実況見分を行いました。

市の教育委員会によりますと、小野寺容疑者は、業者が搬入などで使う通用口から小学校に侵入した後、炭酸を利用したロケットを飛ばす実験のため、しゃがんでいた児童をはね駐車場の隣に停車したとみられています。

小野寺容疑者と児童らに面識は無く、学校とのトラブルも確認されていないということです。

小野寺容疑者は「人に車をぶつけたことは間違いない」と話していて、警察は故意に犯行に及んだとみて捜査をしています。

若柳小学校から車で5分ほどの場所に住んでいた小野寺容疑者ですが、近所の人によりますと中学卒業後に市外の高校に進学し現在は農家を営む両親と3人暮らしということです。

近所の人「息子がいたかいないか、見たことないから分からない」

家族が手伝うことが多い農作物の収穫にも参加しておらず、姿は見ることは無かったということです。

事件の起きた栗原市立若柳小学校の校長が取材に応じ、小野寺章仁容疑者(34)を取り押さえた状況について話しました。

千田知幸校長「(小野寺容疑者が)校舎にすっと入って行ったのが見えたので(教頭が)側にいた教諭と捕まえた。抵抗が無かったので子どもたちに見えないような、窓のない放送室に運んで行った」

7日に臨時で開かれた栗原市教育委員会の校長会の後、若柳小学校の千田知幸校長が取材に応じました。

小野寺容疑者は、敷地内で車を降りた後、校舎に入っていったということです。

市教育委員会では、学校が再開する10日には急きょ心理カウンセラーを配置し、児童の心のケアに対応するということです。

更に栗原市の各学校にある車の進入路に、臨時のバリケードを設置するということです。

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